おかげさまで先日無事に退院した。
温かいメッセージ、本当にありがとうございました。
転んでもタダでは起きないヅカオタは、おおっぴらに仕事を休めるのをこれ幸いとばかりに久しぶりに訪れた暇な時間を悠々自適に過ごしていたので、ご心配いただき逆に申し訳ないくらいだった。
パソコンも久しぶり。利き手がかなり使いづらいので文字を打つのには相当時間がかかるが、まぁぼちぼちやっていこうと思う。
患者の一日
しばらくないだろう入院生活。せっかくだから一日の流れを書いてみた。
本にしてオスカー・ジャフィのところに持ち込めば舞台にしてくれないだろうか。
あたるぞー！この舞台はっ！
6時。どれだけ起こされても起きないことに定評のある夜行性の私は、体温計を服に突っ込まれてももちろん目覚めない。すやすやである。
採血の注射を刺されたタイミングでようやく何かがおかしいことに気付き叫ぶ。
「まだ6時です！」
ゾフィーは歯を磨けと怒るくらいだがこちとら問答無用で腕に針を刺されている。
あのときの私はシシィなんて目じゃないくらい反抗的。しかも毎日。
看護師さん本当にごめんなさい。
「なんて寝坊なの！」おっしゃる通りでございます。
半分眠りながら朝ごはんを食べ(もちろん完食)診察orリハビリへ。
うちの先生はちゃんとしていたので20世紀号のジョンソン先生みたいに「なんだシュリさんか」とかいって帰ったりしないし、アスピリン以外のお薬もちゃんとくれる。
間違っても視線を感じたからといって首を左右に振ったりはしない。
最近話すようになった娘ちゃんの「今日のひとこと」を教えてくれる優しい先生だ。
ちなみに最終日は「ひよこ、やっほー」だった。
きっとこれは現在初舞台中、研一のひよこちゃんたちを応援する言葉に違いない。
さすがです。先が楽しみです。
そしてリハビリ。これがもう…大変…。
時代劇初挑戦の役者さんとかが言うじゃないか。「セリフのことや所作のことを考えすぎて、普通に歩いたり振り向いたりするってどうやるのか分からなくなった」って。
私なんてセリフのことも所作のことも考えてないのに歩くのも腕を動かすのもどうやるのか忘れたからね！！
ちょっとやっては諦め、ちょっとやっては休憩し…。
そんな不良患者の相手を情熱をもって根気強くしてくれる療法士さん。
まるでルイ14世に剣を教えるダルタニアンのよう。
きっとガスコーニュ出身に違いない。
名前が谷田先生だったので心の中で「ダルタニタ」と呼んでいたらいつの間にか口に出ていたらしく問い詰められた。出身は大宮だった。ガスコンじゃなくてオオミヤンだった。バーミヤンみたい。
私がちゃぴならさぁ、そりゃあさぁ、すぐにいろいろ出来るんだろうけどさぁ。
こちとらポンコツのヅカオタだからね。
何度こけようが、落とそうが、情熱的なダルタニタとシュリのリハビリは続くのだ。
おっひるっごはーん！
浮かれポンチに歌いながらご飯を食べる。もう楽しみがご飯しかない。
私の部屋は4人部屋。最初はたまたま一人で個室満喫していたのだが、途中から満室になった。
そのときは「こんな狭い部屋に、女4人閉じ込めようってのか…」とバルビちゃんが降臨しそうになったが、みなさんカサノヴァくらいいい方だった。
なんせ私が一番年下だったのですごくお菓子とかくれる。
餌付けされる。まるまると肥える。
「今日からみなさんが俺の旦那だ！」と言いたいくらいお世話になった。
水ようかんのおいしさに目覚めてしまった。
「けろけろけろっぴみたいな顔して喜ぶね」と褒められた。褒められた？
午後は基本的に暇。だからものすごく本を読んだ。
読みかけだったラスプーチンの伝記。愛ちゃんすごい！
キングダムの続き。
そんなことをしていたら、とある看護師さんに話しかけられた。
「宝塚お好きって本当ですか？」
本当ですがどこから漏れたんだろう…
REON！のTシャツとか着てたからだろうか。
枕元に宝塚の卓上カレンダーおいてたからだろうか。
「実はわたし、従姉妹が現役の男役で」
！？
「たまに見るんですよー！」
ええええええ！
それはそれはなんとまぁ、ちょっとこちらにおかけなさいよ！
と忙しい彼女を捕まえて色々お話してしまった。
不思議なご縁である。世間は狭いのである。
手術の話をしているお医者さんたちを見ては凱旋門の理事と凪さまを思い出しどうかゴム手袋以外の手袋をつけてくれと祈り、
女性の患者さんに告白されている(本当にあるんですねこういうこと！)足の長いお医者さんを見てはポーの一族のクリフォード先生を思い浮かべておできに薬を塗ってあげたりしたんだろうかとワクワクし、
こうしてみると私は普段病院とは無縁だが宝塚のおかげでいろんな名医(？)に出会えているんだなぁ。
残念ながらブラック・ジャック先生はいなかったです。いたら大変だよまっつさん。
一日の流れとか言ってたくせに途中で終わっちゃったよ売れないなこの舞台！
ありがとうございました
お見舞いもたくさんいただいてしまった。ありがたやありがたや。
お菓子、果物、お花…。
J子からは最近のキスマイの切り抜きコピー集。
T子からは新テニスの王子様のコミック。
ヅカオタたちからはスター付箋にスター付箋にスター付箋。あとスター付箋。
うん嬉しかった！暇だったから遊びに来てくれるのも嬉しかった。
でも人のけがの具合を見ながら
「アンドレが一回撃たれたくらい？」
「金色の砂漠のギィが受けた拷問くらいじゃない？」
「じゃあ元気だね！」
という会話はどうかと思うんだ。
いやだいぶんよくなったんだけどね！
こうして明るく楽しく治療に専念できたのも、お医者さん、看護師さん、療法士さん、薬剤師さん、病院で働く全ての人のおかげだ。
夜中に痛み止めが切れて、いい大人のくせに泣いてしまったときも看護師さんが飛んできてくれた。
ありがたい。私いい子になります。次に入院するときは、もう少し早起きできる大人でいます。
ありがとうありがとう。
今週から通院になりまーす。
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ジョンソン先生にラップで紹介される患者になりたい女Ｂ
