ヒビ、ヒビヤ

ココロハムラ

ただいま劇場 おかえり歌劇

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民票を劇場に移したい。

叶うならば1140番あたりだとなおよい。

そんなふざけたことを真剣な顔でよく話していた。

「私は贔屓が下級生だから花道のそばがいいんだけど、逆サイドだったら首が壊れる」と悩んでいた友人。

「たまには21列からも観たいよねぇ」と笑っていた友人。

やっぱり私たちにとって劇場は特別で、特別だけど当たり前で、こんなにも訪れない時間が長かったのは後にも先にもない。ないことを祈っている。

 

322日、雪組ONCE UPON A TIME IN AMERICA」大千秋楽以来。

実に132日ぶりの東京宝塚劇場は以前と同じように温かくて以前よりもずっと特別な場所だった。

 

祝 星組開幕! 祝 東宝お披露目!

礼真琴さん、舞空瞳さん、東宝お披露目おめでとうございます!!!

ことなこと、星組が、東京に来たーーーー!

地球に生きててよかったーーーー!

長い長い4ヶ月を経て「私たち、ウズウズしてました!」と言わんばかりの全力の舞台は一から十まで熱くて熱くて「換気の影響で空調効きすぎて寒い」!?嘘だね!!とこちらまで爆アゲの3時間。

 

私に「令和版 邪馬台国の風」とか吹き込んできた人出てらっしゃい!

「眩耀の谷」は礼真が王としての器を得るために成長していく物語なのだと感じた。

私は、琴ちゃんの最大の魅力は「溢れ出る主人公感」だと思っている。

真ん中以外の役ができないとかそういうんじゃなくて、「この人の先を見たい」と感情移入させる力というか。

礼真はまさしく少年漫画の主人公の如く純粋で真っ直ぐで、哀しみは知っていても惑うことは知らない。

たとえそれが本当は見せかけでも、自分が見るもの全てを真実と信じている。百央に言われるくらいだからよっぽどよ。

その礼真が現実を知り、葛藤し、決断する。単純な言葉にこの舞台のメッセージを置き換えることはできないけれど「みんなで生きる」を最優先事項にした決断は「忠実な周の大夫」だった頃にはできないものだったのだと思う。

琴ちゃんが演じたから礼真はこんなに魅力的になった。

いいの「いろいろ都合いいよね」とか言わないの!!!

剣舞グルグルグルグルしているところ、扇で戦うところ、カッコよすぎです。抜群の身体能力と圧倒的美声でついていきたいポニーテールランキング堂々のNo. 1です。大好きです。

 

前前前世から舞姫だったんだと思う。ひっとん。

「思いの発露…それが、舞!」せやねん。発露してんねん。だから刺さんねん。

思わずエセ関西弁が出てしまうほど(?)ひっとんの舞は魅力的だった。

盲目の役というのは、常に見られっぱなしの舞台の上で演じるのは素人考えでも大変だろうと思う。

決してあわない視線。それでもわかる瞳花の心情。末恐ろしい。そして笑うと可愛い。

 

愛ちゃんが出てきた瞬間の圧倒的空間支配力。ただ者じゃない感。

後半の「ほらねー!ただ者じゃなかったー!」感。

手足なっが!カッコよ!視線で魅せる男役の芝居!カッコよ!

一気に芝居が締まるのはさすがの貫禄。

 

妖艶なはるこ姉さん、透明感たっぷりの語り部くらっち、確実に都で一番の舞手ほのかちゃん。

可憐で強い星娘たちの競演は絶品だ。

 

そしてツボだった瀬央ーーー!好きだぞ瀬央ーーー!

飄々としながら一人違う次元で物事を見ている「謎の男」

温かさと優しさが滲むのは瀬央っちの人柄もあるんだと思う。

いい男だよ!

ことせおのデュエットがどれもこれも素晴らしくて胸と目頭が同時に熱くなる。今検温されたら確実にヤバいと思った。

 

ちょっとねー、Rayが体感3で。いやもう1分で。

かっこいい人と可愛い人と美しい人を幸せいっぱいに見ていたら終わってしまった。

歌って踊る礼真琴を堪能するのは確実に体にいい。適当なサプリよりずっと栄養が摂れた気がする。

またことなこの息の合い方が見ていて気持ちいい。体にいい。

 

プロローグの振り付け、BOY先生でしょ!と思ったら本当にBOY先生だった。

みつるさんにちょっかい出されるひっとんを抱き寄せる琴ちゃんに「あらあらまあまあ」とときめいてしまう。

白いタンゴ、斬新で魅せ方もお見事!ことなこのキレキレ具合が最高すぎて眼福。

愛ちゃん率いるジャズのシーン。男役の美学と大人の魅力がたっぷり詰まっていて、洒脱な振り付けに色気が滲む。

 

またみつるさんがチャイナマフィアみたいな格好して銀橋渡ってるー!からの珍しいお衣装で中詰ー!

みつるさんへの拍手が随所で温かくて胸が熱くなる。

まめちゃん、ほのかちゃん、瑠璃花夏ちゃん率いるロケットチーム。たった15人でも舞台狭しと大きく踊ってくれて、正直コロナの影響を一番感じたシーンではあったんだけど息ぴったりのロケットが宝塚を見ている高揚を思い出させてくれた。

あかさんが度々フィーチャーされてて嬉しかったなぁ。長身が映える映える。

何より私はひっとんのピンクのドレスをデザインした人にお中元を贈りたい。なんだあれは!可愛いが具現化したのか!具現化したんだな!

 

黒燕尾!しびれた。カッコよかった。ツィゴイネルワイゼン×平澤先生なんてカッコよくないわけはないけど、更にダンサー・礼真琴率いる星男たちがバチバチに決まっていて酔いしれてしまう。

You are my sunshine、手拍子しながらなぜかここで涙腺が崩壊した。

世界の彼氏の名に恥じない星娘を率いたみつるさんの男前っぷりに撃ち抜かれたからなのか、底抜けに明るい瀬央っちの陽の笑顔を見たからなのか、愛ちゃんの色っぽい男役仕草にやられたからなのか。

 

鮮やかな赤で柔らかいデュエットダンス。二人のレベルの高さ故か、振りがどうこうじゃなくて雰囲気だけが脳裏に焼き付いている。

ぴよぴよしていたひっとんが大きく成長し、真っ白な大羽根を背負って降りてきた時には手が痺れるほど拍手した。

琴ちゃんの大羽根を見た時にはなるべくしてなった人だと瞬きを忘れて見つめてしまった。

おめでとうおめでとう!幸せなトップ生活を送ってください!

とにかく体を大事に、思いっきり舞台を楽しんでください!

 

最後に1つだけ、あ、2つだけ言わせてほしい。

 

現場からは以上です。 

 

幸せだけでできている、そう、ハーゲン○ッツくらいに

世界一かっこいいあざらしこと七海ひろきさんご出演の舞台『刀剣乱舞』で久々に劇場を訪れて生の迫力に夢中で拍手を贈った。

SHOW-ISMSで「やっぱりミュージカルがなきゃ私はダメだー!」と恥ずかしくも泣いてしまった。

2作品とも本当に観劇している全ての瞬間に感謝したい、素晴らしい舞台だった。

そして今日、久しぶりの宝塚。

やっぱり最高ですわ。パレードの時の多幸感。最高ですわ(2回目)

 

この幸せの裏にはたくさんのスタッフさん裏方さんの努力がある。

プレッシャーの中で最高のパフォーマンスを見せてくれるキャストさんの努力がある。

ありがたい。ありがたい以外の何物でもない。

行かない選択をした人、全力の対策で劇場に向かった人、みんなきっと正解だ。

 

今日の東京の感染者は472人。100人を超えて大騒ぎしていたころが嘘のようだ。

「またお会いしましょう」と笑顔で手を振ってくれた琴ちゃんの言葉に応えられるように、秋口にはこちらにやってくるはいからさんご一行を迎えられるように、今日も今日とて手を洗い、マスクでぴったり鼻から顎まで覆い、事あるごとに消毒しよう。

全ての劇場が一日も早く「夢の箱」に戻りますように。

 

 

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次回「えっ、瀬央っちがこんなにかっこいいなんて聞いてない!」ご期待ください。

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