なんと甘美な響きだろう。
宝塚。
Takarazuka。
その美しい沼に片足を突っ込んで早ウン年。
いつしか頭まで浸かった私でも最初はこんなことになるなんて思ってもみなかった。
手帳は観劇とお茶会とチケット取りの予定で埋まり(現時点で6月まで)
関西出身でもないくせにやけに伊丹空港と新大阪駅改札内の店に詳しく(梅田には疎い)
休日は平日より早起きしてしずしずと並び立ったりしゃがんだり(足腰は強くなった)。
「ちょっとしたお出かけにも」とワンピースを勧める店員さんにも
お茶会を思えば「確かにー!」とにこやかに対応できるし、
最初は見分けがつかなかった下級生の著しい成長に親心を覚えたりもする。
「雷に打たれたような」という表現をこの界隈ではよく聞く。
初めて観劇した時、ご贔屓に出会ってしまった時、舞台から投げられたウインクを受け取った時。
あいにくと感情の起伏があまりない私には、初観劇の時ですらその雷を感じることはできなかった。
あったのは「あ、私はこれにハマるんだな」という静電気のような予感だけ。
果たしてそれは正しく、せっせと働いては阪急に貢ぐ清く正しく向こうみずなヅカオタは今日も今日とて日比谷に向かうのである。
とはいうものの、私のヅカオタライフは決して順風満帆ではなかった。
誰にでも初めてはある。しかも相手は105年の歴史を持つ壮大な沼タカラヅカ。
聞いたこともないワードや理解に困るルール、突然始まる手拍子、笑いかけてくれる見分けのつかない美人たち。
ふと見てふとハマった私には教えを請う友人もいない。
完全なるぼっち。This is ぼっち。
わからないままに挑んだ初めてのチケット戦争。もちろん惨敗。
金に物を言わせたくても、何か言ってくれる金がない。
「隣の席の人に話しかけて仲良くなってー」
こちとら小学生から筋金入りの人見知り。そんなことできるくらいならそもそも一人でハマってないわ!
というか 二人組 私 二人組 とかの席順で幕間にトイレに行くのすら気を使うんじゃ!
非公式ファンクラブ?お茶会?ガード?お花代?社交界かここは!
思い立ってムラにいく。もちろんぼっち。
初めてのお茶会。もちろんぼっち。
ツムツムのスコアだけが上がり、こっそり周りの会話に聞き耳を立てて知らない単語をメモりネットで検索する日々。
なるほど幕開きのあれはチョンパっていうのね!
長くなった。
ぼっちだから悪戦苦闘。誰にも聞けないから試行錯誤。
このブログは、そんな「あの頃の私」に教えてあげたい私個人の経験則、
そして「今の私」が宝塚の(もしかしたらそれ以外の何かの)諸々について思うことを
書き残す場にしたいと思う。
アラサー
とあるメディアの中の人
某組某男役さんの会員
東宝組
今や会社でも宝塚キャラが定着した一ファンの書き物が
誰かの役に立てば嬉しいなと願いながら有楽町のガストで筆を置く。
店員さん長居してごめんなさい。
お濃い抹茶ババロア美味しかったです。
初めて宝塚を見た時の私へ
その道は正しい。心が折れることもあるけれど途方も無い幸せも訪れる。
諦めなかったから友達もできる。
これからもヒビ、ヒビヤへ進め!