涙雨としか言いようのない冷たい雨。
真夏のような暑さもあった。冬に戻ったような寒い日もあった。
風が吹いたり雨が降ったり、休演があったり体調不良があったり。
たった1ヶ月の間に起きたこととは思えない。
本日月組公演大千秋楽、本当におめでとうございます。
よく乗り切ってくれた、と組子にもファンの皆様にも心から拍手を送りたい。
偉そうにも。
私のお粗末な読解力では最後の最後まで夢現無双の全てを理解することはできなかったが、いつもにも増して組子の熱演を画面越しに感じたし、何と言ってもこの短い期間にここまで成長してのけたおだちんの勇姿を拝むことができたのは大収穫だった。
久しぶりの日本物、初めてのタイショー。
まゆぽんが千秋楽にしてたまきちから投げキスを返してもらえたことに思わずガッツポーズをしてしまった。
おめでとうまゆぽん!
そしてお披露目おめでとう、さくさく。幸せなトップ娘人生を歩めますように。
全員まとめて頭がウニになっている友人諸氏と集まってあんなことを言っていた、こんなことを言っていたと寄せ集めたが、全て丸っと不確かな雰囲気ものです。
良き日でありますように
響れおなさん、玲実くれあさん、音風せいやさん、ご卒業おめでとうございます。
正直休演の報を受けたときにおとちゃんを知ったんだ、私は。
復帰した時に本当に嬉しそうで楽しそうだったのがすごく印象的で今日もまたその笑顔を見られて嬉しかった。
男前なくれあ姉さん、娘役から女役へ素晴らしくかっこよく成長されていく姿は、たまきちじゃなくても「月組にとってかけがえのない存在」と言うと思う。ハイビスカスが色とりどりな花束、とっても素敵だった。
ひびきちさん。月組芝居の立役者。もしかしたら管理職方面に進まれるんじゃないかなんて思ったこともあった。
柳生の大殿様、めちゃくちゃかっこよかったです。いてくれてありがとう。
組長も言っていた。
「長きにわたり月組を支えてくれたメンバー」
その通り。本当に彼女たちがいてくれた月組を観劇できたのは幸運だった。
彼女たちにとって月組生でいた日々が、そして月組OGとして過ごす日々が良き日であることを祈っている。
嗚咽の伝道師、再び
そう、組長である。ムラの千秋楽で「嗚咽の伝道師」と美弥るりか本人から名付けられたるう組長。
すーさんの人情挨拶を引き継ぐ滑らかな言葉と、どうしても溢れてしまう涙がるう組長の人柄を伝えてやまない。
本日も無事、嗚咽を伝道。
退団者一人一人に向けた言葉が温かくて、特に苦楽を共にしてきた美弥ちゃんへの言葉は劇場中の嗚咽を誘って止まなかった。
るりちゃんはとても優しくて繊細で、よく気がつく人です。
マイペースゆえに悩んだことも多かったと思います。
だからこそ美弥るりかの演じる役が息づき、唯一無二の男役、美弥るりかが誕生しました。
共に同じ舞台に立てたこと、温かさを感じる日々を過ごせたことに感謝しています。
るりちゃん…たくさんの愛を本当にありがとう。
宝塚の愛の巡礼こと美弥るりか、バンザイ!
(雰囲気)
きっと頭の中を駆け巡ったであろう、懐かしい日々。
その延長だった日常が、明日からは思い出になってしまう。
清々しい組長の笑顔と震える声が、それを痛感させてもう涙腺は崩壊した。
瑠璃色はしあわせの色
ずーっと美弥ちゃんは美しかった。
振り向いて「佐々木小次郎」と名乗った瞬間から、パレードの最後に手を振る瞬間まで美しかった。
いつもの美弥ちゃんだった。
その美弥ちゃんを包む周りの笑顔も優しくて温かくて、どんどん涙が溢れた。
男役群舞に加わる瞬間、迎え入れるたまきちの笑顔が優しかった。
最後の決めポーズの後、一拍おいて笑顔を深めた美弥ちゃん。
ああもうだめだ。
愛情たっぷりに投げキスする瞬間を捉えたカメラマン、ばっちり映したスイッチャーさん。
ありがとうありがとう。
これから一年美味しいビールが飲めるおまじないをかけておく。
組長挨拶で既にボロボロだった私を一瞬にして夢の世界に連れていってくれたサヨナラショー。
『BADDY 』
『私が神だ』1789-バスティーユの恋人たち
『テキーラ』
『この地上の何処かに』All for One
『カンパニー』
『All for One』(退団者3名)
『グランドホテルで』
『一緒にグラスをとろうよ』グランドホテル
『Everything for Love』アンナ・カレーニナ
BADDYのイントロほどテンションが上がるものはない。
シルバーのラインストーンが付いた赤いスーツで歌い踊るスイートハート様に1年ぶりにお会いしてテンションがバカになった。
アルトワ伯は神様度が増していたし、れいこちゃんを欠いてどうなる!?と思ったテキーラはそりゃもう男前な美弥ちゃんに会えた。
「この地上のどこかに僕の心を求める人がいるならどこまでも会いに行く 誰とでも向かいあおう」なんて歌われてしまったらファンはもうたまらない。十分向かい合ってくれたと思う。あなたのファンになれて、きっとみんな幸せだよ。
メッセージでも「一人じゃなかった」という言葉があった。カンパニーの歌詞を聴くと尚更しみる。
あの時のグランドホテルの感動が蘇ってきて、男爵とオットーが帰ってきて。もう、まさに、ようこそ人生!
海ちゃんとのデュエットは美の結晶。
幼い頃に宝塚の世界に魅了されてから気がつくと20年以上の月日が過ぎていました。
その日々の中で私は奇跡と呼べるほどの出来事、瞬間に何度も出会いました。
憧れの方の作品、お役が出来た時の喜び。
客席と舞台が一体となる素晴らしい瞬間。
共に笑い共に涙した愛しい仲間たちとの思い出。
私を見つけ応援してくださったみなさまとの大切な時間。
全てが奇跡のようでした。
幼い頃からの夢だった男役として宝塚に存在でき、17年も過ごすことができたことこそ奇跡なのかもしれません。
憧れゆえの葛藤もありました。
ですがどんな時も私は決して一人ではありませんでした。
心から尊敬し愛する仲間たちがいつも側にいて、どんな時も応援してくださった皆様方の温かいお気持ちがいつも私に優しく寄り添ってくださっていました。
みなさまの思いがあったからこそ、今こうしてこんなにも幸せな気持ちでこの日を迎えることができました。
お一人お一人のお気持ちに感謝の気持ちでいっぱいです。
青春の全てをかけたこの劇場との別れの日に、大切なみなさまと過ごせたこの瞬間、幸せを胸に刻み、男役美弥るりかの人生を終え、明日からの新しい人生の一歩を踏み出してまいります。
17年間、本当に本当にありがとうございました。
2番手のまま退団することに悲しい思いをした人は少なくないと思う。特別に応援していたわけではない私だってそうなんだ。
だけど美弥ちゃんのご挨拶は、自分の宝塚人生と共にファンの宝塚人生まで肯定してくれたような気がする。
あなたと過ごした17年間は無意味でも無価値でもなかったんだよ、と教えてくれているような気がする。
しあわせの瑠璃色に染まった優しい時間を、いつまでも心に留めておきたい。
それでこそるりちゃん!
人生で初めてるりちゃんなんて呼んだ。
さすがのマキアージュも匙を投げるくらいファンデーションは流れ落ちていたが、ヒョコっと涙が引っ込んだ。
それもこれも我らが月組トップスター、珠城りょうがやってくれたからだ。
退団者一人ずつに言葉をかけたことももちろんそうなんだけど。
それでおとちゃん泣かせちゃったんだけど。「拭いてあげられるもの何もなくてごめんね!」ってかわいいな。
星組にいた時からるりさんが好きでしたって告白しちゃったり、危なくなっちゃったり、そんなりょうちゃんを美弥ちゃんが優しく愛おしそうに見つめて小さい声で「ありがとう」って呟いてたり。
それもこれも素晴らしいんだけど。
月組ジャンプよ!
「掛け声は!るりさんはじめ退団者の皆さまお願いします!」
「びっくりしたあ、本当に?」
って一瞬でキョトン顔になる美弥ちゃんの可愛さプライスレス。
「聞いてなかったよ~」
「言ってないです!」
全員が涙ひっこんで本気で相談し始めるの本当に面白い。
「いつも何て言ってるんだっけ」
「月組、バンザーイみたいな感じですけど」
4人が一生懸命相談して相談して相談した結果、
そして恒例の大ジャンプ。フーフー言ってる退団者が可愛かった。
笑顔でお見送りできてよかった。
と、思ったらまだ終わらない。終わらないんだ。
鳴り止まない拍手に、緞帳前に現れたたまきち。
腕引っ張ってきたのは「ダメだよりょうちゃん!」美弥ちゃんだー!
「すみません本当に…もう一度来てしまいました…」
大喝采の劇場。もちろんライビュ会場も。
「本当にりょうちゃんの愛のおかげです。ありがとう~」
「いやいやいやいやいやいや」
「なんか漫才みたいになって来たね」
「漫才ですね。私がボケですね」
「りょうちゃんがボケで私がツッコミだね」
いや両方ボケなのでは…?
二人してセンターに向かいながら「この辺にしとこうか」「はいっ」
「真っ白で美しい景色だったね」
「そうですね」
二人で向き合う様がまさに漫才で笑ってしまう。
「もっとお話ししてください」(みたいな)
「いやいや、今回代役のこととか色々あった公演でしたが皆様が応援に来てくださったので月組はたくさんの元気をもらいましたし無事に千秋楽を迎えることができました。こうして私が笑顔で過ごせたのはりょうちゃんのおかげです。ありがとう~。今の私、相手役みたいです」
「勝手に私が連れて来ました」
「りょうちゃんから、月組のみんなから、そして皆様からいただいた愛は一生忘れないと思います。長い間ありがとうございました!りょうちゃん残って!」
「いえ、一緒に戻りましょう」
「一緒に。じゃあ締めの言葉を。私の旦那が!」(かわいい)
可愛かった。語彙力なんてとうにない。きゅるん。そのうるうる感ぴちょんくんクラス。
旦那発言に爆笑するたまきちが「りょうちゃん」って感じでかわいい。
なんだここは。こここそパラダイスか。
「今いただいてる皆様からの…(美弥ちゃん突然のコテン)(客席ざわ…)
温かい拍手は、後ろにみんないるんです。残りの退団者3名、月組のみんなにも伝わっていると思います。温かい愛を本当にありがとうございました。これからの月組もよろしくお願いします!」
「ありがとうございまーす!ハハッ」
手を振りながらはけていくニコニコの美弥ちゃん。たまきち。
語尾に「〜」がつく美弥ちゃんの話し方が好きだし、るりさんに甘え助け合い成長してきたたまきちの年下旦那感たるや。こここそパラダイス(2度目)
奇跡は偶然じゃない
昼過ぎだっただろうか。
日比谷にいた友人から興奮した声で電話がかかってきた。
「涼風さんがきてる!かなめさんが美弥ちゃんに会いにきてる!!」
皆様ご存知の通り、美弥ちゃんは涼風真世さんの大大大ファンだった人だ。
少女時代のまいまいはカナメさんの会に入り、せっせと劇場に通い、サヨナラ公演のガードまでしていたのだ。
カナメさんに憧れて宝塚を志し、男役になり、奇しくも月組に縁があり、カナメさんの退団公演「グランドホテル」でご本人が演じたオットーを再演で手に入れた。対談だってした。
そのご贔屓が。幼い頃からの憧れのご贔屓が、宝塚最後の日を見届けに来てくれた。
こんな奇跡、ある?
でもこれは、ただただ何もせずに待ってたらラッキーでおきた偶然なんかじゃない。
憧れゆえに自分に課したハードルも高かったのだと思う。
努力を積み重ね、自分を鍛えて磨いて真摯に誠実に舞台に向き合った。
ファンの愛を受け止めてたくさんお返しをして来た。
そうやって紡いで来た美弥ちゃんだったから掴み取れた奇跡。
オットーも、ときめきの原点も、今日という日も、美弥ちゃんが心の奥の宝箱にしまいたいような奇跡を私たちとも共有してくれて幸せだ。美弥ちゃんが幸せな瞬間を垣間見ることができて幸せだ。ありがとう。
今日はゆっくりと眠れますように。
男役・美弥るりかは幕を下ろしたけど、新生・美弥るりかとまた出会えますように。
本当に本当にお疲れ様でした。
来世の目標は「ご贔屓に見守られて宝塚を退団できるタカラジェンヌになること」に決めた。
よろしく神様。
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美弥ちゃんに会えて幸せでした。アブナイッ!