観劇を趣味とする者にとってかけがえのない相棒、それがオペラグラス。
私はいついかなるときでもカバンにオペラグラスだけは絶対に入っている。
会社で見つかった時に「急な観劇に備えて…」と答えドン引きされたことは記憶に新しい(なぜなら先週の話だから)
だってチケットがいつ降ってくるかわからないんだもの!
普段はこちらを使っている。
倍率6倍。明るさ12.3。重さは210g。
オペラ買いに優しいでおなじみ有楽町のビックカメラにてお兄さんと2時間吟味し落ち着いた一品。
たしか5000円弱くらいだったように記憶している。
6倍だと確かに2階のA席やB席からでは遠く感じることもあるが、「人」より「シーン」を見たいと思うタイミングもあるしちょうどいいかな、なんて思っていた。
もちろん今でも基本的に不満はない。ムラでも東宝でも帝劇でも2.5次元でも数々の奇跡を一緒に目撃してきた大事な相棒だ。
トイ・ストーリーでいうウッディ的なやつだ。
だが人間とは我儘なものだ。
ウッディのことが大好きなのにバズ・ライトイヤーに目移りすることもある。
「もっと倍率が高かったら…」
「もっと明るかったら…」
そしてたどり着いてしまうのだ、防振双眼鏡の世界に。
存在は知っていた。というかだいたい隣のジャニオタJ子から聞こえてくるのだ。
でもけして安くはない。というか高い。めっちゃ高い。
双眼鏡に7万をポンと出せるほど私は金持ちじゃない。
新しいべべも袴も刀も我慢して観劇費用を捻出しているのだから。
「宝塚に防振双眼鏡は不要」という話もめっちゃ聞くし。
それでも私が知らない素晴らしい世界がそこにはあるんじゃないかと気になって気になって、結局手を出すことにした。
意志よわーい(永倉さん@油小路のテンションで読んでください)
出すと決めたのだから仕方ない。無限の彼方へ、さあいくぞ!
ヅカオタ、 防振双眼鏡をレンタルする
とはいえもちろん買う金はない。正確には同じ紙でもチケットに姿をかえている。
なので今回はカリレルさんでレンタルしてみた。
キヤノン 防振双眼鏡 10x30 IS II
防振双眼鏡をレンタルしてくれる業者さんは簡単に検索するだけで3~4件見つかる。
なぜカリレルさんにしたかって、
- ぱっと見の金額が安かった
- 翌日の午前中には届く
という二点に尽きる。すみません。
なんせ決心した翌日には観劇の予定があったもんでな。
かかった金額は
レンタル料(一泊二日・税込み)2980円
発送料 540円
返送料 807円
合計 4327円
このうち、カリレルさんに払うのはレンタル料と発送料の3520円。
返送料はユーザー負担だが業者の指定はないため、工夫すればもう少し安くできるかもしれない。
面倒だったのでコンビニ発送可能なヤマト運輸を使って807円だった。
土曜日の11時過ぎに注文し(翌日午前中着指定)、17時前に発送連絡。
日曜日の朝9時過ぎにはゆうぱっくで到着した。はやい!すっぴんで受け取ってごめんね郵便屋さん!
予備の乾電池入り。届いた段ボールは丁寧に封を開けて返却でも使おうとする貧乏魂。
返送は使用最終日のうち(24時まで)に業者(=コンビニ)に引き渡すというルール。
なので月曜日に使い終わった後、速攻で梱包してコンビニに持っていった。
対応もスムーズで届いた商品はピカピカ!
思い立って翌日には手元に届くんだから便利な世の中だ。
お待たせしました使用レポ
このタイミングで防振双眼鏡をレンタルしようと決意したのには理由がある。
どうせ借りるなら使い倒したいと貧乏性が芽を出して、日曜ソワレ、月曜マチソワの2日で3公演たっぷり使えるならちょうどいいじゃん!と内なる自分にそそのかされたからだ。
4300円も3回使えば一回当たり1400円ちょっと。ほらちょっと安く感じる。
3回とも違う席で使えたので東京宝塚劇場で10倍の防振双眼鏡を使うとどうなるのか、簡単に書き記しておきたい。
1階16列センターブロック
結論:しづの涙がくっきり
銀橋に立つ人は頭から膝上くらいまで。Blu-rayとか見ていてとても気持ちいいサイズ。
本舞台上ではプロローグの総踊りで横2人くらいの全身が見える。
しづの頬を伝う涙、吉村さんの髪の乱れ具合、土方さんの目尻、じろえの眉間の皴なども十分に満喫できる。
ただ、このくらいの距離だと吉村・斎藤の「20両でよがんす」のくだりはどちらか一人しか見えない。
結構こまめに左右に動かす感じ。
群舞のときは潔く使うのをやめ、「ここ!このときの吉村さん!」というピンポイントに投入すると楽しかった。
視界に入る人は限られるものの、その人を楽しみたいときにはとてもいい距離。いい倍率。
黒燕尾の凪さまがポケットに入れている片手を見つめるっていう楽しみ方。ふへへ。
1階24列上手側
結論:クリアポスターが目の前で動いている
銀橋にいる人は全身綺麗に見える。朝美絢のウインクに被弾。マジで目が合ったんじゃないかと思うくらいはっきりしていてビクッとなる。
本舞台は総踊り横3人分くらい。これだけ距離があると咲ちゃんが長い足を高々とあげても全身入る。
高画質のクリアポスターが目の前でくるくる移り変わる感覚。近すぎずにバランスがよい。
おみっちゃんがちんまりと座って泣いている様を丸っとおさめてくれて涙で滲む。
群舞でも2~3人は視界に入るので「あ、いまアイコンタクトした!」とか、デュエットダンスで見せるホールドの美しさとか、きぃちゃんの美しい背中とか、しっかりと楽しめる。
フォトグラフでは近藤・土方・伊東の前列幹部から谷先生まで視界におさまる感じ。
10倍の真価を発揮する席だった。
1階3列下手側
結論:いらない
そもそも普通のオペラグラスですら必要ないわ。というツッコミはさておき。
一応使おうと試みたのだが私の視界はこんな感じ。
近すぎて生徒さんにピントがあわない。
そりゃそうだ。セットの隅とか見たいのであれば使ってもいいかもしれない。それでも近いけど。
余談だが3列目で浴びる望海風斗の歌声はどんな病気も治りそうだった。事実ニキビは二つ消えた。万能薬説。
まとまらない総括
幸か不幸かこの週末は3回とも1階席だったので2階席からその威力を確かめることはできなかった。
が。声を大にしていいたい。
明るい!!!
明るい!!!!
Blu-ray画質!!!!!
スターアングルを自分で作れる感覚に近い。
手ブレがない世界って綺麗なんだな。
正直はじめて使ったときは視界の美しさに感動した。うつっている人たちも美しいんだから困ったもんだ。
視野に関しては座席に大きく左右されるので何とも言えないが「贔屓をひたすら見つめたいハンタータイプのあなた」は一度使ってみても損はしないと思う。
あとは「唯一一回の観劇がB席しかないが贔屓の表情を見つめたい」みたいなときかなぁ。
重さについて。電池入れて630gくらいかな。正直重い。首にかけていても重い。
更に今回借りたものがボタンを押しっぱなしにしていないと防振機能が作用しないので一生懸命押しながら見つめた。ロックされるタイプがよかった。
ただ視界にうつる雪組がどこもかしこも美しすぎて、のぞ様の200%の笑顔もきいちゃんの♡も咲ちゃんのキレキレダンスも凪さまの決め顔もあーさの額に輝く汗もひとこちゃんの物憂げな微笑みも!
覗いている間は重さを忘れてしがみついてしまう魔力。
けしてストレスがないわけではないが、お値段なりに素晴らしい仕事をしてくれる。
はー、こりゃドームに通う人たちが買うわけだわ。納得。
大きさも結構ある。ケースに入れるとiPad miniくらい。普段から大きめのバッグなので入れるのには困らなかったものの、なかなかずっしりくるので重いのが苦手な人は要注意。
というわけで最近暇さえあれば「防振双眼鏡 おすすめ」で検索し始めている。危険だ。非常に危険。
お金に余裕のある時に(そんな日は来ないのだが)ぽちっとしてしまっていたら、笑ってやってください。
なくても問題なく宝塚を楽しめるが、一点集中で舞台を愛でたいあなたは一度試してみてもいいかも。
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まのみやくんの前髪も10倍で見るとさらっさら。あがたくんはモシャッ。