こんにちは、新選組オタクです。
地元図書館の新選組関連本を読みつくし、大学図書館まで出張した中学生の頃。
南は鹿児島、北は函館まで関連史跡を旅してまわった高校生の頃。
あの頃の積み重ねが今、雪組公演をより深く楽しく見る下地になっています。
マキアージュくらいしっかりした下地です。
とはいえねぇ、暗いし重いし幕末よくわかんないし。
なんとなく名前は知ってるけど…っていう人も多いと思うんですよ。
でもせっかく壬生義士伝を公演中なわけだし。
新選組、ちょっと知ってるだけでエモさが爆発する案件がてんこもりなので、
全く知らないわーっていう方は興味を持ってもらったら嬉しいんですよね。
なので有名どころのエピソードをまとめてみました。
ようこそ!新選組沼!
史実と伝説が入り交じり、全て「諸説あります」がつくと思って読んでくださいね!
ビビりだから全力で保険をかけていくよ!
ちなみに吉村さんは史実より壬生義士伝の方がドラマティックなので割愛だよ!
俺たちの土方歳三伝説
幕末一のイケメンと名高い土方さん。
もちろんモテまくりで
マジ女にモテすぎてつれーわー。モテすぎて全然仕事に手が回らないわー。島原の花君太夫ちゃんと天神の一之ちゃん。祇園は3名の芸妓。北野では舞妓の君菊ちゃんとと小楽ちゃん。大坂新町では若鶴太夫+2、3名。北新地では沢山いすぎて書き尽くせねーわー(シュリ訳)
という地獄のミサワもびっくりの手紙も故郷に送ってるし、その一年後には自分がもらったラブレターを冊子にして親戚に送りつける始末。
いやわかるよ、凪さま見てたら芸者衆が群がってるもんね。
奉公に出された10代のときに年上美女孕ませたりとかね。
一人だけ剣術稽古で使う面の紐を赤いのにかえるおしゃれさんだしね。
「誠の群像」の原作となった「燃えよ剣」とか読むと遺髪と刀を預けた小姓とのエピソードに泣いたり、沖田さんにおちょくられるあたりも楽しいのでご興味あればぜひ。
楽しいといえば俳句が、そのー、個性的なところがもう楽しい。
豊玉という名前で俳句を詠み、京に向かう前に自ら発句集にまとめちゃう。
結果、後世まで恋の句が伝えられるという…。
春の草五色までは覚えけり
しれば迷いしなければ迷わぬ恋の道
玉川に鮎つり来るやいかんかな
春ははるきのうの雪も今日は解
あばらやに寝ていてさむし春の月
うぐいすやはたきの音もついやめる
梅の花一輪咲いても梅はうめ
なんというか、うん、そのまま!
斎藤一、末っ子説
「黒髪の人」こと朝美絢演じるはじめくん。明治維新を生き抜いて大正まで生きてますからねこの人。しぶとい。
そして謎が多すぎる。
生まれた年がはっきりしない人たちが多いのであれだけども、いわゆる新選組の核になったメンバーの中では一番年下、という説が濃厚。
ひとこちゃん演じる沖田総司より2つ年下。藤堂平助(すわっちがやってる人)と同い年。
あんなにツンツンしていてバカ強いはじめくんが可愛く見えてくる不思議。
「しゅーへーぼっちゃまはあんなので試衛館継げるのか!」と吠える斎藤を「はじめくん」となだめる2歳上の沖田。いい…!
油小路時点でおそらく23歳くらい。
お酒を飲んだら人を斬りたくなってしまうバイブスいと上がりけりタイプ。
めちゃ強でスパイをこなしたり隊内の粛清をがっつり担当したりと、とにかく上層部(っていうか土方さん)に重宝されてた。
吉村さんが非業の死を遂げた鳥羽伏見の後も戦い続け、会津で別れるまで土方さんに従いめちゃくちゃ信頼された結果、ケガをした土方さんから新選組の指揮を頼まれるなどしたそう。(このとき近藤さんは既に亡くなっていまして…)
人生で二回結婚。ちなみに二回目の奥さんは時尾さんというのですが(るろ剣の原作にもちょこっと出てくるね)大河ドラマ「八重の桜」にも登場する会津のお嬢様でした。貫地谷しほりさんが演じておられたと思う。
年食っても血気盛んで「薩摩芋(薩摩の芋侍)切ってくるわ」と西南戦争にも参加しちゃうポンポーン。
ちなみに最期は床の間で座禅の姿勢のまま亡くなったとのこと。侍の最期でございました、と息子の嫁が伝えている。
いかれたメンバーを紹介するぜ!
だいたい新選組のメンバーってのは近藤さんが江戸(牛込柳町あたり)に開いていた道場の仲間が主要になってるわけです。
めちゃくちゃざっくりいうと、剣の流派は様々なのに近藤さんがいい人で居心地いいから道場にたまるようになり、皆で名をあげようぜーと京に向かい、なんやかんやあって幹部クラスに落ち着いています。
口が大きいのが自慢の局長、近藤勇
いい人なんだけどねー!!今でいう学歴コンプレックスみたいなのが結構あってね!
だから身分が高い人とか学がある人にはもう全力で下からいっちゃうんだよね。
自慢は握りこぶしが口に入ること。宴会芸はこれ一本。
苦労もあった。器も大きかった。最後には旗本(幕府が直雇いするお侍、めっちゃ高級な公務員的なイメージだろうか)になれて大喜びしたけど、時代はもう変わっていたんだよね。
後半、結核の総司とともにケガをした近藤は「大坂城で治療してもらう」と離脱するわけだが実はこのケガ、油小路から逃げ延びた伊東一派の残党に狙撃されたんですよ。
頭に包帯巻いてたけども史実では利き手の肩。その後、刀を持って戦うことはままならなくなったとのこと。
「深追いするな!」がここにきて響く…。
ご存じ悲劇の天才剣士、沖田総司
ひとこちゃんの儚さ、うすら寒いほどの冷たさ、かわいらしさ、人懐っこさ。
はーーーー沖田総司にぴったりだよ君は。
史実どうこうより私が思い描く理想の沖田だよ。声が最高すぎる。
強すぎて「本気でやったら近藤さん負けるわ」とすら陰で言われていた総司君。
人懐こく近所の子供をめちゃくちゃかわいがるのに、稽古がひたすら厳しすぎて「荒っぽくてすぐキレる…」と隊士を恐れさせていたとか。
敵も味方も剣術については絶賛する記述が残りまくってる新選組筆頭一番隊組長。
お姉ちゃん子で、お嫁に行くときは5時間くらい泣きどおしだったという子供の頃の黒歴史も書き残されているそう。かわいい…。
近藤さんが斬首された後も結核の療養中だった総司にだけは口止めされていたので、最後の最後まで近藤さんの身を案じていたと伝わっています。まなはるぅ。
とにかく冗談が好き。色黒。子供好きで京にいる間も近所の子を集めて遊んでおり、八木家の子供たちも懐いていたそう。
ちなみに写真や肖像画は残っていないので、もうみんなひとこちゃんで想像しておけばいいと思うよ!あんまり美形じゃなかったって噂だから!
剣豪で語り部な永倉新八
いやまちくん、とにかく強いんだよ。
けして「たた、たいへんだー!(棒)」っていうだけの仕事じゃないんだよ。
「がむしゃら」な性格だったので、「新八」と合わせて「がむしん」と呼ばれていたらしいよ。
吉村さんは生活のために脱藩したけど、この人は結構裕福な武士の家だったのに剣術が好きすぎて脱藩したよ。結果近藤さんの道場で貧乏生活。
明治になってから新聞記者の取材に協力して「新選組顛末記」を残し(まあ内容は盛ってあるらしいけど)、国民の敵!悪逆非道!人斬り集団!だった新選組のイメージアップに貢献。
日清戦争に出征しようとしたら「お気持ちだけ…」と断られる。55歳でしたからね、当時はおじいちゃんよ。
奇しくも斎藤一と同じ年に亡くなったのだけども、亡くなる前に松本良順と協力して近藤勇・土方歳三の墓を東京に建てたりもした。
愛妻家のやばい槍使い、原田左之助
なにかと永倉新八とニコイチにされる原田さん。今の愛媛県出身。
得意なのは剣より槍。十番隊組長、つまり新選組でしんがりをつとめる短気な実力派。
地元にいたころに「お前らマジ下級だから切腹のやりかたも知らんやろ」と上級侍にいじられ「そんくらい知ってるわ!」と勢いで切腹。未遂。
結果お腹に一文字の傷が残り、ほかの隊士に自慢してたとか。ついたあだ名は死に損ねのサノ。
京にいる間にお嫁さんをもらい、たまに屯所に子供を連れてくるイクメンぷり。
けして教育上よくないやめたほうがいい。
他にも坂本龍馬暗殺の濡れ衣を着せられたり、上野で戦死したはずなのに大陸へ渡って馬賊になった伝説があったり。
美貌の斬りこみ隊長、最期が泣ける藤堂平助
はじめくんと同い年の末っ子ちゃん。お殿様の私生児なんて噂もあったシティボーイ。
「誠の群像」で咲ちゃんが演じていた号泣案件の山南さんと、カリ様演じるスーパー賢いいけ好かない参謀の伊東甲子太郎と同じ流派をおさめた。
薩摩藩士が京都で見聞きしたものを残した書物に「超美形」と書かれていたそう。
新選組のハイライト「池田屋事変」でも真っ先に切り込んで奮戦し、おでこを割られる大けがを負う。が無事復帰。つよい。
戦いでは真っ先に切り込んでいき「魁(さきがけ)先生」とあだ名されたりなんかして。
伊東さんが近藤・土方チームと意見が分かれて出ていくことになった結果、そっちに着いていくことに。史実でははじめくんもスパイとなってついていく。
ぶっちゃけ新選組を裏切った伊東一派に近藤一派は激おこぷんぷん丸なわけだが、油小路事件の際に近藤さんは「なんとか藤堂だけは助けたい」と実働部隊の永倉に言い含める。
永倉も逃がす気マンマンで逃走経路を作ろうと道をあけたのだが、事情を知らない別の隊士がばっさりいってしまう。
慕われていた江戸からの生え抜きメンバーの若き最期に、私は二重三重に泣いてしまうのだ。好きだよ平助。
スーパーかしこの伊東甲子太郎
カリさま演じる参謀の伊東先生は「学者肌の伊東まで…」と斎藤、土方に言われた通りそれはもうめちゃくちゃ賢く先見の明があったと伝わっている。
超名門流派の北辰一刀流の道場を江戸で開いていて、そりゃあもう繁盛していたのだけど同じ流派の藤堂平助にお願いされ近藤さんに頭を下げられて鳴り物入りで入団。
ちなみに吉村さんも北辰一刀流の免許皆伝ですからね、一目どころかめちゃくちゃびびられるよ。
色白のイケメン、賢い、強い、家柄もいい。ちょっと嫌味。
まあ土方さんとは仲が悪かったらしいですね。例えると運動神経もいい学級委員タイプの優等生と、頭の回転が速くて喧嘩が抜群に強い美貌の不良みたいな感じかな。ハイローかよ。
元々は伊東大蔵さんだったんだけど、新選組に入った年の干支が「甲子」だったので甲子太郎に改名。わりと単純。
新選組の行く末が思うようにならないのでうまいこと取り繕って離脱。
藤堂と一緒に坂本龍馬の元へいき(これまた同じ流派で考え方が近かったらしい)「新選組が狙っているから気を付けて!」と忠告するが聞いてもらえず、しょんぼりして帰ったそう。
実際の油小路、私は新選組最大の同士討ちであり、今後の方向や社会からの見え方を決定づけた大きな悲劇だと思っているので(死に方もなかなか無残)決して谷を殺すための小競り合いではないんだよ…ということだけ言い残します。
洋学にも明るいぶっ飛び医者の松本良順
かちゃさんだからスマートでかっこよくてジェントルな松本先生だけど、実際はなかなかなお髭を生やした豪胆な人物。幕府の偉いお医者さんなので新選組隊士ではない。
新選組で健康診断をやって病室を作ることやふろに入ること、豚を飼うことを指導。
屯所っていわゆる借家ですけども。もちろん新選組は勝手に大改造。
ちなみに最後の将軍・慶喜が体調を崩した時にはアヘンを飲ませてめちゃくちゃ寝かせるっていう荒療治までやってのけます。めっちゃ偉い人に麻薬のませるという。
あ、あと総司を「沖田はいい子!」っていって可愛がっておいしいもの食べに連れまわしたらしい。
いつも以上に
長くなりましたすみません。
これでもかなり削ったんだけど。
ちなみに縣君が演じた池波六三郎君こと史実・原作では池田七三郎君はなんと昭和13年まで生きていました御年90歳。おみよちゃんにベタ惚れだったのが可愛い。
掘れば掘るほど面白い新選組。いや幕末。
週末の観劇に向けて改めて自分でもいろいろ思い出してみようと思う。まる。
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20両よりチケットが欲しい。あ、やっぱりお金も欲しい。