ヒビ、ヒビヤ

ココロハムラ

宝塚版「花より男子」もLove so Sweet

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港区担当の天気の神様は花組が赤坂ACTシアターで公演を始めると雨を降らせるクセでもあるのだろうか。

全国的にひんやりザーザーな日だったが、明るく楽しく花組公演「花より男子」の初日にお邪魔してきた。

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以下、ストーリーについて盛大にネタバレしている。

観劇はこれからだわという花組ファンの皆様はどうぞ戻るボタンをタッププリーズ。

例によって長くなりすぎるのでキャストへの感想は後日。

 

なにはともあれストーリー

原作でいうところの1巻から12巻までを描いている今作。

幕あきはベルばら方式。

野口先生お得意のCG満載な映像が流れ途中で原作F4が映し出される。

一人ずつシルエットに変わってF4が登場。

そのまま制服の男役を引き連れメインテーマで踊りまくる。

ダンスはさすがだ。光ちゃん筆頭にダンサーが集まっているだけある。

途中で一人ずつセリフを言うのにフフッてなってしまうのは私の修行不足。

歌詞が恥ずかしいのは仕方ないの野口くんだから!!

しかし全体的に90年代後半のアニソン風味、初期の2.5次元舞台風味な曲調だった気がする。

もちろん映像で花びらが散ったりしている。

 

目立たないように生活を送っているつくしによって学園の設定やらセレブっぷりが説明される。

転校してきた桜子に説明しながらF4の恐怖政治についても描かれる。

しかし「花の四人組」って聞くともちろん原作通りなんだけど、歌われてしまうとフフッ。

F4紹介ソングがテニミュ立海の自己紹介ソングみたいだった。

しろきみちゃんの「ありえないっつーのー!」はよく声が出ている。

 

野口先生は「歌える人」に歌を振るという傾向を感じていたのだけど、びっくさんオンステージの耳に優しさときたら!

下級生が多いこの舞台で要の部分を背負っていると思う。

ハケる際のグランパディシャがどんどん派手になってて笑った。

今回の体張ったで賞と出オチかっさらったで賞は間違いなくさおた組長

可愛いお父さんだった。爆笑だった。

桜子が道明寺にぶつかって転ばせた上に水をかけ、庇ったつくしと喧嘩になるのはご存知の通り。

水をかけるシーンとか「生地傷んじゃった」で笑いが起きるのはコントみたいだったから?

あんなに大好きなおにぎりを踏みつける光ちゃんの心痛たるや

しろきみちゃん本気で飛び蹴りかまし劇場が「おおっ!」てなった。いい蹴りだった。

 

赤札を貼られてからいじめのシーンはスピーディ。

花沢類に助けられて恋に落ち、うん王道!そりゃ原作が王道少女漫画だから。

さなちゃんがやった花沢類のモノマネが似てた。

現状道明寺がどこでつくしを気に入ったのかちょっとふわっとしているが、ガンガンストーリーは進む。

エステに美容室、メイク、着替えと「メタモルフォーゼ」されちゃうつくし。

マイケル・ジャクソンばりにソフト帽をかぶって踊る道明寺が先導する。

ムーンウォーク!!

オネエの美容師RUNAは大事ですよー!テストに出ますよー!

この辺から道明寺の可愛さが加速していく。おバカな跡部景吾みたいだ。テニスネタが多い今日。

机の上に片足あげる、その足が長い!!

 

「まーきの」って聞いて条件反射的に笑ってしまうのは全部おばたのお兄さんが悪いんだ!

静役のりりかさんがいい感じに外国の芝居がかっている。

仕方ないんだけど静のことまで深掘りできないから普通の完璧超人になっちゃうよね。

21股中の総二郎はものすごいスケジュール管理能力を秘めているなぁとどうでもいいところで引っかかったりしてみる。

黒板にないことないこと書かれてブチ切れたつくしに「キスしたこともないっつーの!」と叫ばれ、静に免じて赤札を撤回。

「牧野つくしの赤札は撤回する!今後いじめるやつは俺がただじゃおかねえ!!わかったら解散!!!」

いやいやいや道明寺いいよ!!

「牧野がわざわざ俺にキスしたことないって言ってくるってことは、俺にファーストキスを捧げたいっていうメッセージなんじゃ

よーしよしよし!道明寺だ!

 

ドレスコードを嘘つかれて普段着で静の誕生パーティーに行かされた挙句シャンパンでびしょびしょにされちゃうつくし。

「こいつをいじめていいのは俺だけなんだよ!明日お前らのロッカーに赤札がいくぞ!」

の道明寺はかっこよかった。本当に。お前が言うか感は置いておいて。

「っていうか元をたどればあんたのせい!」

全くもってその通りである。

「俺のどこが不服だ!」に対して「バカなところが嫌!その変な髪型が嫌!自意識過剰な性格が嫌!蛇みたいな目が嫌!全部いやーー!」

容赦ない。そして速攻美容師を呼びストパーをかけ始める道明寺。素直か。

稀に見る剛毛天然パーマの道明寺さんストレートになるとポーのアランが特出したのかと思ってしまう。

二度めのプリティ・ウーマンタイム。

そして静はフランスで弁護士になると宣言。類傷心。

空港でつくしが土下座するのも、類を説得するのも、つくしにデコチューするのもその後の飛行機で類が追っかけていくのも、デートの誘いにアナウンスがかぶるのも、あ~~花男!!

 

せっかくのデートにつくしは4時間遅れ。そして雷雨の中待ちぼうけする道明寺。

みんな大好きニット帽ですよ。

がっつり風邪を引いて「券買ったなら乗らなきゃもったいない!」というつくしに「黙れ貧乏人」とつぶやく時だけは道明寺さんがかわいそうだった。

あのエレベータで夜を越すエピソードは観覧車にチェンジ。雷で止まった設定。いいの、ここは宝塚夢の国!!

風邪ひいた道明寺を看病するエピソード、大好きだったなぁ。

朝になってやってきた係員のるな君がツボすぎる私。もう大好き!

「ほんと、さーせん!めっちゃラブラブっすね!ありがとうござっしたあ!」っていう喋り方がツボ。

 

神出鬼没の新聞部によって撮られた二人のキス写真はあっという間にネットを駆け巡る。

完全に一夜を共にしたという誤解に「元気きゃ!」と緊張しちゃう道明寺。

そのまま女生徒にクラブへ連行されたつくしは、さおたさんとるな君を引き連れて踊り狂う音くりちゃんに出会う。

そう!!!ぶりぶりぶりっ子桜子の!!音くりちゃんが!!!よいこの音くりちゃんが!!!

一生懸命花沢類に寄せたまいこつに連れて行かれ、薬で眠らされた挙句ホテルで写真を撮られます。はい。

この辺はつくしが迂闊すぎて当時からなんとも思えなかった

今度はその写真が出回り、吊し上げを食らったつくしは道明寺に信じてと訴えるも無視されてしまう。

再び始まったいじめから逃れようと桜子に導かれるまま体育倉庫に向かい、大方の予想どおり黒幕だった桜子に縛り上げられてしまう。

「ブス」ってすみれコードNGなのかな。桜子のエピソードを語る上では欠かせないんだけど。

幼稚舎の頃、好きだった道明寺に侮辱されたことを根に持ち、親の遺産で整形して戻ってきた桜子は復讐の道具としてつくしを利用。

助けに来た道明寺に「反抗したらつくしの顔を切り裂く」とナイフを突きつけ言い放って男たちにボコらせる。

この辺の音くりちゃんのお芝居は圧巻だった。でも「やっておしまい!」にはちょっと笑っちゃったごめん。

全く反撃せずボロボロの道明寺がつくしだけを心配する様子に諦めて去っていく桜子。

はい二人いい感じ!!道明寺告白!!

「妬いてるよ。妬きまくってる。好きだ。気がおかしくなるくらい惚れてる。俺が欲しいのはお前だけだ」

ヒャーーー!少女漫画!!ラブラブ!!大団円!!

 

な訳はなくて。

整形がバレていじめられる桜子をつくしが庇うまではまぁいい。

足音の効果音に合わせようとチョコチョコ歩いて来たあの男。花沢類、帰国。

「なんでこのタイミングで!?」道明寺、哀れなり

「「この先一体、どうなっちゃう!?」」

アニメかよ!!!

 

ようやく2

私同様、ドラマを見たり原作を読んだりしている方は1幕でここまでやっちゃうの!?と思われるかもしれない。

それほど良く言えば濃厚、悪く言えば駆け足な盛りだくさんの1時間半だ。

 

そして幕あき、1幕終わりのちょっと前からスタートしたので本当にテレビのCM明けかと。

めちゃくちゃ類にマウンティングする道明寺は可愛いし、ぜひ弊社の社長ともお話しして一週間休みにして欲しい。

海のシーンはめちゃくちゃPOPでビーチボーイとビーチガールが歌って踊って南国!

めちゃくちゃチャラくなって簡単にキスとかしちゃう花沢類につくしドン引き。おまけに口説かれる。

そして生命力ナンバーワン桜子「きちゃった♡」ぶりっ子が振り切れてて好き。

 

私が劇中でいちばん好きなセリフ。

「牧野、これ……食べなさい

間と表情が最高だよ道明寺。

君のバックハグは世界を救うよ道明寺。

意外と紳士だね道明寺。

一方悩めるつくしは静が結婚間近だと立ち聞き、類をおって浜辺へ。

花沢類ファンが待ち望んでいた名シーン!!

パリ時代の話、自分は無力なガキだったと感情を吐露する類を励ますつくし、二人のキスシーンにもちろん道明寺はやって来ます。決まってます。

類を殴りつけ、つくしに激昂して全てを白紙に戻すと告げる道明寺。

学校に戻っても類と道明寺の亀裂は埋まらないどころか、総二郎とあきらとも言い争い。

そして類はF4から外れてもらう!と宣言する道明寺だけど、それはもはやF3なのでは?F3といえば50歳以上の女性なのでは?

 

類とつくしのデートで一生懸命ステーキを食べようとしたつくしは盛大にステーキを飛ばし、なんと客席へ。

客席が一生懸命頭下げて探すけど見つからず、拾うかどうか悩んだギャルソンまいこつは諦めて客席に一礼。笑ったー。

デート中もつくしはついつい道明寺の話ばかりしてしまう。いちいちツッコミ入れる類はえらい。

路地裏の戦いは原作ファン大喜びでしょ!

類が道明寺を呼び出してつくしのことを煽ってバカにする。激昂する道明寺と思いっきり殴り合いに、止めに入った総二郎とあきらも巻き添えに四人で殴り合い。

「あいつなしじゃ生きていけねえんだ!」と叫んだ道明寺に「早くいえよ。さっきのは全部嘘。こうでもしないと二人とも素直にならねぇんだから」

いや一番可哀想なのはあきらと総二郎なんだけども、4人で倒れ込んで拳を突き上げるあたりは胸熱。

 

サラ金300万借りて競馬ですったパパに「パパが悪いんじゃないわよ!」

いやつくし、マジでパパが悪いと思うよ。ママの三つ指ぺこりがものすごく綺麗。

つくしが道明寺に金を借りに行くと、つくしに箔をつけるためコンテストに出そうとしていた道明寺と利害は一致。

優勝賞金300万のミスコンに出ることになりF4のレッスンがスタートする。

本日何度目かのプリティ・ウーマンである。

あきらはウォーキング。「牧野、残念」

類はバイオリン。「牧野、マジか

総二郎は茶道。「牧野、失格」

道明寺はダンス。「お前は何をやらせてもダメだな!」

特にバイオリンはひどかった。

サクサクいくよ!準決勝だよ!どこかで聞いたような名前のクセ強めの審査員が登場するよ!

『牧野300万!』と書かれた横断幕を手にめちゃくちゃ応援してる道明寺恥ずかしいかわいい。

まぁ色々あって決勝に進出したつくしは、子供をあやす競争で生意気な子供を叱り飛ばし体を使った遊びで盛り上げ

ほぼロケット。フィナーレでない分ここでロケット。

子供たちの評価は引き分け。審査員の判断で優勝は別の人。つくしは審査員特別賞に。

優勝した都姫ここちゃん、可愛かったー!

 

言ってなかったけどコンテストはクリスマスイブ。

この辺からクリスマス色が全開に。

デートの約束をして道明寺を待っていたつくしの元に現れたのは類。道明寺がニューヨークに行くことになったから、と手紙を持って。自分が空港でされたように、つくしにも空港に行くよう励ます。

うん、でもこのシーンいるかな道明寺がなんでわざわざニューヨークに行く日に思い出の遊園地で待ち合わせしたのか説明が薄くて。

静は帰国して類とくっつき、総二郎はつくしの和菓子屋バイト仲間といちゃつき、人妻あきらは桜子といい感じ。

当然主役カップルは空港で「待ってろ!」「待ってる!」「牧野、メリークリスマス」からのキス。ベタは強い。一番強い。

 

フィナーレはクリスマスで「あれ、Delight Holiday始まったのかな」って思った。

総二郎とあきらの「サンタが街にやってくる」、類は「ママがサンタにキッスした」、男役群舞はポケットに手を入れたまま降りてくる光ちゃんが素敵すぎる。

体のキレの良さが抜群で「クリスマスinニューヨーク」なコンセプトにふさわしく洒脱でジャジー

細かい振りもこのメンバーならキマる。

デュエットダンスは「ホワイトクリスマス」。役のまま、道明寺とつくしが反発したりそっぽ向いたりしながらも可愛くて徐々に距離が近づいて行くような。

このしろきみちゃんのドレスが大人っぽいのに可愛くてよくお似合いだった。制服多かったからな。

パレードはメインテーマ!

 

まとまらないまとめ

ACTシアターの舞台構成上仕方ないのかもしれないけど、とにかく暗転が多い。

いいエピソードばかりを抽出したからか王道な、ベタなシーンが続いている感じ。

それでも原作の前半からキリのいいところまでよくまとめたな。

あえて台詞回しを原作に沿っている部分とか、衣装や小道具から時折90年代のかおりを感じるのも「私、少女漫画の舞台見てます!」って思わせてくれる。

もちろん元々のキャラクターの強さに助けられているとはいえ、演者さんたちもよく頑張った!

笑いどころとシリアスシーンのバランスが良くて、どんどん道明寺が可愛く愛おしく見えるようになってくる。そうさせる周りのお芝居も立派。

つくしと道明寺が拳を当てあうシーンとか、路地裏のF4とか、細かい部分は野口くんの原作愛を感じた。

その分家族や静の描き方がちょっと薄くなったり桜子のエピソード駆け足だけど、花より男子」に正面から向かい合って舞台化しました!という意欲は十分に感じるちょろい客です。

すっごく偉そうだな私。道明寺かよ。

 

兎にも角にも、初日おめでとうございます。

どうか千秋楽まで無事に駆け抜けてください!!

 

 

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