ヒビ、ヒビヤ

ココロハムラ

ヅカオタより藤ヶ谷担のみなさまへ

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ヶ谷くんを愛するファンの皆様、初めまして。

ジャニオタの友人を持つヅカオタです。

朝からLINEが鳴り止みませんでした。

この度は初ミュージカル、おめでとうございます!

 

りによってその演目が「ドン・ジュアン」で、その演出家が生田大和先生とのこと、SNSで様々な情報に触れさぞや期待と不安が入り混じっていることと推察します。

断言しましょう。

期待を裏切り予想を超えてこじらせてくるのが生田くんです!

おめでとうございます!(2回目)

 

以下、ネタバレありますので自己責任でよろしくどうぞ。

 

ドン・ジュアンという偏愛の塊

宝塚には「すみれコード」なるものが存在する。

簡単に言うと「清く正しく美しく」な宝塚の世界観を守るために伏せられていること、語られないこと、表現されないことをさすもので、日常生活から舞台の内容に至るまで宝塚の根底に根付いている。

タカラジェンヌの本名や年齢、恋愛事情はもちろん、過度な性愛描写なども含まれる。

ディズニー的な世界になると思ってもらえれば良い。なんせここはすみれの花咲く夢の園。

 

ドン・ジュアン」はそのすみれコードをぶっ飛ばしまくっている作品だ。

いやギリギリなのか…?あれギリギリOKなのか…?

原作はモリエール作の戯曲。モーツァルトのオペラ「ドン・ジョバンニ」も同じモチーフで描かれている。

舞台はスペインだがジャンルはフレンチ・ロックミュージカル。

スパニッシュな楽曲、フラメンコの要素に洒脱さとロックを混ぜたミュージカルで初演はフランス。宝塚では2016年に上演された。

今作の公式HPには

ここはスペイン、セビリア……
数多の女たちを魅了し、快楽を求め、愛を貪るプレイボーイ、ドン・ジュアン。今宵もまた一人の乙女が彼の毒牙にかかる……
乙女の父親である騎士団長は娘を穢された怒りに駆られ、ドン・ジュアンに挑む。だが父親の怒りを嘲笑うかのように、ドン・ジュアンは非情にも騎士団長の命を奪ってしまう。それが後にドン・ジュアンを苦しめる「愛の呪い」の始まりだと、知る由も無く……
ここはスペイン、セビリア。生と死、そして愛が交錯する街。

なーんておしゃれに書いてありますが、甘いからな!

「セクシーに女の子を口説くたいぴーが見れる♡」なんて思ってたら脳みそ沸騰するぞ!

ドン・ジュアンってどんな人?」とヅカオタに聞いたら100人中99人が「クズ!!」って答えること請け負いだぞ!!多分あとの一人は「顔がいい」って言う。

  • 結婚の約束をした女性を捨てて酒に溺れる放蕩三昧(貴族です)
  • その人は娼婦に身を落とす(男と絡むのをニヤニヤしながら見てる)
  • 女という女をたぶらかしてはやり捨てする(当然)
  • ムカついたら女でも蹴っ飛ばす(初歩)
  • 髪の毛掴んで引き摺り回す(まだまだ)
  • 元修道女で慎み深い女性が気をひくためにストリップしているのを爆笑しながら見てる(そろそろ引いた?)
  • 少年時代に実の母に欲情して襲い、母が病んで自殺(やべーやつ)
  • つまりはマザコンをこじらせ倒している(さらにチンピラである)
  • 当然人も殺している(何を今更)

(過激すぎてカットされたエピソードもあり)

とにかく「こんな男って最悪だよね」に性欲と暴力を加えてコトコト煮詰めて上澄みすくったらドン・ジュアンになる。ただし金はある。顔もいい。

先人は彼をこう呼んだ。「薔薇から生まれたクズ太郎」と。

Du plaisir 快楽求め

Du plaisir 歪めた顔で

情熱のまま 快楽に踊ろう

 

Du plaisir 快楽求め

Du plaisir 熱い吐息に

昂ぶる体 快楽に弾けよう

凄まじい歌を女性と絡みながら色気たっぷりに歌うのだ。

お分りいただけただろうか、これがピンク担当たいぴーが挑むドン・ジュアンだ。

大丈夫ですか息してますか。

 

一応宝塚版のあらすじを追っておこう。

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女を不幸にするために生まれてきたような男ドン・ジュアンは今日も元気に一人の乙女をたらしこむ。

実はその子、騎士団長という偉くて正義サイドのおじさんの溺愛するお嬢さん。

当然騎士団長はブチ切れである。可愛い娘を世界クズランキングトップクラスの男に汚されたのだから当然。

しかし騎士団長、負ける。決闘で負ける。死ぬ。ドン・ジュアンは殺したついでに娘にキスするゲスっぷり。

だがここで諦めないのが騎士団長。亡霊となってドン・ジュアンにつきまとう。

「不幸になれー死ねー愛に呪われろー」と延々つきまとう。

この亡霊、当時のヅカオタを震撼させるクオリティだった。今見ても「マジか」と思う。気になった人は「ドン・ジュアン 雪組 亡霊」で検索。

もちろんドン・ジュアンはそんなことで生き方を改めたりはしない。今日も今日とて快楽を貪っている。

そんなある日、騎士団長の勇気を讃えるためだったか忘れないようにするためだったかで騎士団長の像を作ろう!ということになり(あやふや)マリアという女性の彫刻家がその任を担うことに。

御察しの通りヒロインです。

ピュアで、優しくて、着飾らず、なのに美しく、ただただ大好きな彫刻の仕事に向き合うマリア。

「こんな女、初めてだ…」とトゥンクするドン・ジュアン

でもマリア、実は出征中の婚約者おるんやで。

仕事にいい顔しない婚約者と違い、彫刻ごと愛してくれるドン・ジュアンに惹かれちゃうマリア。

騎士団長像の完成式典にマリアに会いたい一念でドン・ジュアンはやってくる。殺した本人が来たんだからそりゃ騎士団ブチ切れ、追い出しにかかる。

マリアは「こんな像があるせいで会えなくなるなら!」と自ら作った彫像をバッコーンとぶっ壊してしまう。えええええ!腕力!

二人は結ばれ、許されないなら二人で街を出ようと朝チュンしながら歌う。

ところがそうは簡単にいかない。マリアの婚約者が戻って来て事情を知り、もちろんブチ切れ。

ドン・ジュアンドン・ジュアンで婚約者の存在に嫉妬マックス(知らんかったんかい)

当然二人は決闘である。

最後、ドン・ジュアンはどうなるのか。騎士団長の亡霊は消えるのか。マリアは。

 

ちょっと調べれば最後まで出てくるがこの決闘から結末までの一連は演者の迫真の演技もあり、忘れられない名シーン。

ドン・ジュアン、経験豊富な恋愛初心者なんだよね。

一行で書くなら「どうしようもないクズ男が真実の愛と出会い変わっていく」物語だが、かっこいいの塊であるスパニッシュな曲とダンス。全ての行動に説得力が生まれてしまう出演者の力によって今でも偏愛的ファンを大勢抱える傑作である。もちろん私も好きで好きで何度となくDVDを見ている。

そう思えないとしたら私の文章力のせいだごめん!

いろんなものが圧倒的で見るのにものすごくカロリーを使う作品でもある。

フラメンコの打ち鳴らす靴の音。

愛と快楽と酒に溺れていく影と色気を背負った美形のクズ。

救いの人マリア。

どこまでもどこまでもこじらせていく登場人物たち。

そしてドン・ジュアンの(ほぼ唯一の)友人であり「憎んだ以上に愛している」「天使の顔した悪魔」と歌い出し、ドン・ジュアンに押し倒されて悩ましげな表情を浮かべたり女の子とイチャイチャしていると不機嫌になったりしちゃう「お前の好きはLikeじゃなくてLoveなんじゃ」枠のイケメンも登場する。

すみれコードがあってこれだぞ!

 

ドン・ジュアンを演じたのは当代きっての歌唱力を持つ現雪組トップスター、望海風斗。歌の神様と巻き舌の神様に愛され、古今東西様々なクズを演じて来たニヤリ顔の達人である。本人はいたって真面目な学級委員タイプのトップさん。

昨年藤ヶ谷くんが突然観劇してヅカオタを驚かせた「凱旋門」にもご出演。まぁその時も「女は行きずりに限る」とか言っていた。

 

「やばい、見たくなった!」「予習しとかないと気を失っちゃう!」と心配になったあなた!朗報!今度WOWOWでやるよ!

www.wowow.co.jp

 

こじらせの生田

読んでいただいてお分かりの通り「こじらせ」を追求すると「ドン・ジュアン」にたどり着く。そのこじらせ方が天下一品なのも熱狂的ドン・ジュアンに踏まれたい女子を生み出している一因だろう。

それを生み出した張本人が「宝塚一こじらせる男」生田大和。やまとではなくひろかずと読むのでよろしく。

 

生田くんはこんな人。

  • 必ず演目にキャッチコピーをつけちゃう
  • 宝塚に憧れて高校からバレエを始めた
  • 特技はヨーヨー
  • 男役と男役の濃い友情を書きがち
  • 男役はだいたい男役の腕の中で死にがち
  • 男役に女性の役を当てがち
  • 望海風斗が好きすぎる
  • メガネ
  • 得意料理はビーフシチューとおでん
  • いくらの醤油漬け・蕎麦つゆも自作
  • オムライスにはケチャップで絵を描く

こだわりが強く、細かい演出を加える人。歌が上手い人が大好き。

怒鳴ったりはしないけど、静かに人を追い詰める系の演出をする。

「あなたがしたいと言っている表現はいつできるんですか?」なんて言われたら私泣いちゃう。

たいぴー泣かないで頑張って。

変わり者かなって思った?変わり者じゃない演出家なんていないんだよ。

多くの登場人物に出番を与えたいというベースがあるように感じる作品が多い。

ちなみに今作が外部デビュー。つまり宝塚以外の舞台を演出するのはこれが初めてということ。

今作にあたり、こんなコメントを出している。

愛に生き、そして愛に呪われた男、ドン・ジュアン
初めて藤ヶ谷さんにお会いした時、そこには私の求める新たなミュージカル・スター、新たなドン・ジュアンがいました。
フランス発のミュージカル「ドン・ジュアン」。情熱的な楽曲の数々と官能的なダンス、フラメンコに彩られたこの作品の主人公に藤ヶ谷さんを迎えられた事は大きな喜びです!
この作品が果たしてどのような旅路を往くのか。「ドン・ジュアン」藤ヶ谷さんと共に往く冒険を私自身とても楽しみにしております。
藤ヶ谷さん、そして多彩な出演者の皆様と共に、生と死、そして愛に彩られたスペイン・セビリアへと皆様をお連れ致します。

やばいよたいぴー「新たなドン・ジュアン」って呼ばれちゃってるよ!

とんでもない扉開かされるよ!

すみれコードに縛られなくなった今、生田くんを止めるものは何もないよ!

いくとこまでいっちゃうよ!!

フラメンコとか殺陣とか、それよりもっと濃厚な時間になると思うよ!!!

 

この秋、愛に呪われた藤ヶ谷太輔に出会えることを今からとても楽しみにしている。

ファンの方も期待してください。

多分R18+になるけど。

 

 

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