本当に自分でもひいてるんだけど、2幕だけで1万字超えたんですよ…。
削りに削って、文章まとめて、それでもとっちらかってるんだけど、その数百倍舞台の上がとっちらかってるから仕方ない。
全体的にやかましい。
原田先生これ潤色大変だっただろうなぁ…お疲れ様でした。
とにもかくにもラストまでいくぞ!
カオス、からのカオス。そしてカオス。
20世紀号の中がカオスと化したところで前回の記事は終わっていたと思う。
いやまあある意味シカゴを出発した時からカオスだったといえばカオスだったが。
「よくもだましてくれたわねー!!」と激怒のリリーが特別室Aに乗り込んでくると、もう具合悪くなってるオスカーが哀れな感じ。
「リリー、俺も騙されたんだよ…ああ…ふらふらす「いつだってふらふらしているくせに!」容赦ない。
もう列車を降りるーーー!と絶叫しているリリーのもとに明るい音楽と共に髪の毛くるくるのナイスガイが登場。あがたくんじゃないか!
「マックス・ジェイコブス!」オスカーの裏声度300%。
さすが売れっ子プロデューサーは自家用飛行機でひとっとび!
リリーに天使とか呼ばれて、確かにこの状態なら天使どころか救世主よな。本当の意味で。
なんとか引き留めようと騒ぐオリバーとオーエンはお地蔵さんくらい無視されて。
部屋に戻って脚本を読むたびに笑ったり泣いたり感極まるリリー。
「僕は一流の人間としか仕事しないんだ!」
いやーあがたくんのドヤ顔いいわ。
脚本はサマセット・モーム(「人間の絆」「月と六ペンス」が有名でしょうか)!
衣装はシャネル!美術はピカソ!
そんなマックスがブルースに「君も出てみないか?」なんて言うから客席「え?え?ブルースちゃん大根、え?」ってなっていたら…
「第一幕第一場の終りで、雷に打たれる青年の役だ」
「幕開きに登場し、幕開きに死ぬ!君にぴったりだ」
どうしようブルースちゃんアホの子だから喜んで受けちゃうかも。
「ぼくをつまみだそうって魂胆だな!」よくわかりました!花丸!
妄想力世界トップクラスのリリーは、巨匠が書いた脚本にもあれこれ妄想し始める。
「ねぇ、神のお告げを受けるシーンを入れたらどうかしら!」ん?
「自分の罪を悔い改めるのよ、マグダラのマリアみたいに!」んん?
なだめようとするマックスめちゃくちゃまじめ。
「そう、まず私はとてもふしだらな女として登場するの!そのあとに後悔した彼女はキリストの十字架の下で泣き崩れるの…」
どっかで聞いた。
「そして最後は哀れな姿で、市場でオリーブを売るのよ…」
いやいやいやオスカーの影響ハンパないな!
「何言ってるんだいリリー!そんなわけわかんない注文付けられるかよ!」
マックスの本音めちゃ笑う。
「古臭いメロドラマや時代遅れのスペクタクルなんてごめんだね!オスカー・ジャフィ大先生じゃあるまいし!」
一気に顔が変わり、一気に温度が上がり、一気に…ビンタ。
いやすっごい音したよリリー。
「あなたにオスカーの何がわかるのよ!確かに彼は狂暴で常識はずれよ。コブラみたいに食いついたら離れない。場末のクラブの軒先で野垂れ死にすればいい男よ!だけど、彼はほかの人にはないものを持ってるわ!」
自分が散々喧嘩していても他人に悪く言われたら腹立つんだよね。
リリー、オスカーのことめっちゃ好きじゃん!
なんだか王道のラブシーンよりも胸キュンしてしまったアラサーOLです。
ブルースちゃん「それどういう意味…「あんたは黙って!」「はい」
弱い。
リリー(強火) オスカー(弱火)
リリーの大ナンバー「(誰か曲名教えてください)」ミュージカルシーン!
パーティの場で夫と愛人をはべらせ、享楽的に退廃的に歌い踊る夫人を演じたかと思えば見覚えのある聖者が現れピンスポでマグダラのマリアに。
「○○のセリフ。~~とかなんとかいろいろあって」と台本を読むリリーと「とかなんとかいろいろ」を体で表現する組子最高ですよね。
それにしてもチャールストンのダンスパーティがもう本当に軽やかで粋で好き!
そのパーティの歌い方とクラシカルなマリアの歌い方の違い。あっぱれきいちゃん!
次第に間隔が縮まり一小節?なんなら一音?で切り替えるところ、こっちの情緒ごと揺さぶられる。
とどめにオスカー!
鳳凰伝!?
そのオスカーの幻想を振り払い「やるわよ!DADA DADA DADA DADA DA!」のリズムと表情がかっこよすぎてどうしよう。
「マックス!これだわ!」からのチャールストン。
この本大好き、気に入ったわ!の表情がなんとも素敵。
「この芝居でブロードウェイを切って切って刻んでやるわ!DADA DADA DADA DADA DA!」のきいちゃんが今作ベストオブ好きなリリーかもしれない。
めちゃ生きる力にあふれているリリーと違って三銃士はまさに黄昏。
「いつもこうだ…俺が人生最大のピンチを迎えるとき隣に酔っ払いが二人」
「私たちは黄昏行く三銃士に思いをはせていたんですよ」
作戦はまだ残っている、と取り出したのは拳銃。
「さよならを…言いに来た」
残された道はただ一つ、俺は日の光にとける雪だるまにはならない!と悲痛な決意を語っているのになぜか面白いオスカー。いや芝居がかり方がすごすぎて。
「俺はオスカー・ジャフィ!ブロードウェイの王様と呼ばれた男」
タイムズスクエアの路地裏をさまよう姿を見たくないだろう…。裏声になってきた!いいぞいいぞ!
「皆が叫ぶんだ!クレイジーオスカーだ! アァ!石を投げないで旦那!すぐに消えますから!どうかお慈悲を…」妄想の中で全力の二役。オスカー役者になった方がいいんじゃないだろうか。
そんな俺を……個人的にはとっても見てみたいですすみません。
「君には書斎の本を。君には集めたレコードを。批評家からの手紙を。借金の督促状を!すべてあげよう諸君に、わが夢の形見を」
全体的にいらない。
取りすがって泣く二人に「オスカー・ジャフィの幕切れは笑顔でなくては」と笑わせて「そうだオーエン、その笑顔だ!」ってオーエンの笑顔めちゃくちゃ可愛い。びっくりする。
巻き込み型思い込みオスカーと巻き込まれ型オリバー&オーエン。この3人がチーム組んだのはある意味ブロードウェイの奇跡だ。
「もしかしたらボス、本気で…」心配するオリバーに「ないない、俺たちより長生きする」
私もそう思うよオーエン。
その瞬間、銃声。
ええええええマジかあああああ!ここにきてサスペンスかーーーー!
「撃たれたああ!」オスカー!?
「ちがうのよおおお」レティシア!?
ここから怒涛ですよ。
「ボス、どこを撃たれたんです!?」
「わからん…(椅子にぐったり)なんたる運命の皮肉だ…あんなばあさんに撃たれて死ぬとは…」
「なにかしてほしいことは?牧師呼びますか!?」まだ生きてるよ!
医者を呼びに行ったオリバーが戻ってくるなり「ボスはもう死んだか!?」「まだだ!」
再び様子のおかしい医者のジョンソン先生登場。「なんだジャフィさんか」
芝居じゃないんだ、撃たれたんだ!と主張して診察開始。
「しょくん…ついにおわかれだ…(裏声)」
駆け付けた車掌は「20世紀号の悲劇だ!」といいながらオスカーをがくがく揺らすし、レティシアは甥夫婦に引きずり出される。
重々しく告げられる「休ませてあげなさい」にオリバーとオーエンは「ボス、かわいそうに」「手の施しようもないなんて」「せめて痛み止めだけでも!」
「アスピリン1錠でよろしい」「それだけ!?」
「傷一つありませんよ!」
こーの身はー!よみがーえるー!と、言わんばかりにおっそろしい勢いで起きてくるオスカー。
やっぱりな…そういうやつだとおもったんだ…。
「先生は命の恩人です!」「だから私は何も」「先生が書かれたあの…」「医者の一日!」「上演させてください!」
手のひら返しオスカー!
そして芝居の稽古をしなければ、と最後の作戦に出る。
椅子に座って自分を見て、誰かの視線を感じたら首を左右に振ること。
あっけにとられている三銃士の残りにオスカーが危篤だとリリーを呼んでくるよう告げ、決め台詞。
「しょくん!クサい芝居、するなよ~!」
今日一番の「お前が言うな」である。
世紀の大茶番、極上のフィナーレ!
ちゃーんとクッションを敷いて危篤のふりをしているオスカー。
部屋に入るなり駆け寄りオスカーに寄り添うリリー。
あれどっかで見た構図だな。大劇場とか東宝とかでつい数か月前に。
全力でわざとらしいオーエンの「ボス、リリーですよーう!」
オリバーはちょっと設定盛りすぎて「ボスはもう、口がきけないんだ…心臓のど真ん中、ぶち抜かれて!」
いや即死でしょ!
一斉にジョンソン先生の方を見るキャストたち。一生懸命首を左右に振るジョンソン先生。
なぜか泣き崩れるブルースちゃん。
ボディランゲージで「泣け!泣け!」とオーエンに言われて一生懸命唾つけて涙を演出するジョンソン先生。
死にそうなオスカーとリリーの歌、オスカーの芝居が面白すぎて仕方ない。
二人が歌っている間も視線が来るたびに一生懸命首を振るジョンソン先生首ぶんぶん。
契約書を俺の亡骸と共に埋めてくれ、と歌うオスカー。
ほだされて契約書にサインするリリー(まなはるの背中で)。
泣き崩れるブルースちゃん。
歌い終わりで三たび全員がジョンソン先生を見て、先生はもちろん首を振って。
オスカー、死す。
わけなかったー!!!
マックス乱入!腹筋で起き上がり元気いっぱいのオスカー!
「遅かったなマックス!」
「だましたわね!」
「リリー、君を救うためにはこれしかなかったんだ!」
「…大根役者の下手な芝居を、見破るくらいできるわよ!」
…………。
あれ?
「その契約書のサインをごらんなさい!」
「「「ピーター・ラビット!?」」」
後ろで号泣していたはずのブルースちゃんが大喜び。
「だましたなリリー!」
「だましたのはあんたでしょ!私がそんなお涙ちょうだいの猿芝居信じるとでも思ったの!?」
「血も涙もない女め!」
「『もう俺には…何もない…』」
「どこまで馬鹿にすれば気が済むんだ!」
「『リ~リ~♪』」
「この女狐!」
「大根!」
「恩知らず!」
「嘘つき!」
「インチキ!」
「いかさま!」
「田舎者!」
「時代遅れ!」
「ピーター・ラビット!」
「ミッキーマウス!」
「ミルドレッド・プロツカ!………リリー・ガーランド」
「…オスカー!!」
「リーリーー!」
仲直りの呪文が本名だなんてとんでもなく可愛い。
かわいすぎる。
喧嘩のせりふはなんとなくですよ雰囲気ですよ。
全身白の車掌さんがイケメンすぎる。長かった16時間…ニューヨークに到着!
乗客たちも真っ白な衣装で夢乗せて走る汽車でニューヨークへ到着。
長いトンネルの先に、明るい光が
Life is like a train!
なんて素敵な歌詞。しかし問題はオスカーがまたすぐトンネルに突入するんじゃないかってこと。
オリバーとオーエンが紙ふぶきを散らしながらタキシードとウェディングドレスのオスカー&リリーを出迎え大団円。
大団円だ!やっと幸せになった!
あ、ブルースちゃんだけぷんすこしている!
フィナーレの先頭を切ったのはあがたちん!
娘役さん引き連れてタキシードにシルクハットとケーンを携えソロの歌とダンス。
この押し出しの強さは若さゆえか、ケーンの扱いは覚束なくても目が離せないスター性のある生徒さんですね。
身長があるからクラシカルな振り付けも似合う!
ジャズナンバーで登場したのは脳筋ブルースちゃん⇒イケメン咲奈にジョブチェンジした咲ちゃん。
圧巻の男役群舞!衣装はゴールドのきらきら、振り付けはタップ!
粋で軽妙な曲調でタップがもうかっこいいったら。
「ハローMr.ブロードウェイ」の曲からリリーのミュージカルナンバー「バベット」の軽やかな曲。
そして登場したのはやっと髭が取れた望海風斗と真彩希帆ヒューヒュー!
総踊りで全員タップ。あー、やっぱり雪組の群舞がなんだか好きだ私は。
だいきほのデュエットダンスは、なんというかエモーショナルだよなぁといつも思う。
美しさだけではなくて互いの個性を尊重している感じというか。
1幕の、まだラブラブだった(?)ころのオスカーとリリーのデュエット曲だからドラマティックでたまらない。
オーブは大階段ないから寂しいけどその分カーテンコールに個性が出て楽しい。
最後はだいもんの「しょくーん!」でみんな一気に踊りだす!
ちょっかいをだす咲ちゃんに応えるだいもん。
一心不乱にしゅしゅぽぽしているきぃちゃん。
どんなときでも爽やかな凪さま。
咲ちゃんときゃっきゃしているあーさ。
実はめちゃくちゃ軽やかな京さん。
なぜロックウッド議員でカテコだったのりーしゃ。
だいもんのご挨拶も「雪組20世紀号にご乗車くださいましてありがとうございました。皆様も元気になって!!…帰ってください!」
もうめちゃくちゃ元気になりましたとも。
ありがとうありがとう。熱演にありがとう。ハッピーエンドにありがとう!
余韻
ものすごくどのシーンか忘れたんだけど、キャビアを取ろうとしたリリーの手にオスカーの手が触れてしまって、オスカーが低めの落ち着いた声で「…失礼」っていうシーン。
リリーもほわあ♡ってなってたが客席もほわああ♡ってなったよねっていう。
当時の時代背景に明るくないのだが「マグダラのマリアの受難」とってもコケそうな気がしてる大丈夫かな…。
ジャフィ夫妻は3日に一回離婚してその翌日には再婚するイメージなんだが、もはやパパラッチからもスルーされそうだし「離婚届だしとけ!」と命令されたオリバーが毎回呆れながら握りつぶしてそう。
彼の胃がとにかく心配である。
私は今後もきっとあすくんに目を奪われ続けるんだろう。でもジョンソン先生には診察してもらうのちょっと怖いです。
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ぼくのことも…わすれないでネッ★