この世の不幸を一身に背負うかのようにバッドエンド道を突き進んでいた望海・真彩の雪組トップコンビ。
彼らはフランスと幕末をループするしかないのか…と何人のファンが呟いたことか。
参考までにだいきほのこれまでの道のりはこちら。
のぞ様致死率半端ないな。
そんな「声帯がご神体」コンビがようやく幸せになれるという噂を聞き、これは何が何でも見なければいけないと決意した「20世紀号に乗って」。
ご縁があって4度乗車し幸せになって帰ってきたのだが、なんとこの傑作、円盤化も放送もしないらしい。
「この、うらぎりものおお!」(CV:望海風斗)
ならば仕方あるまい。1個覚えたら3個忘れる私の記憶力と意味不明のメモをフル稼働して1年後の自分が思い出に浸れるような観劇記録を残すのだ!
しょくん!!!
とりあえず諸君と叫ぶ。
しょくん!!!!!
思い込みおじさん、暴走!
幕開き。最初に現れるのはポーターズの4人。
お手手ぴんってしたアメリカのアニメみたいな歩き方で、タップは諏訪君さすが!
軽やかで粋なタップダンスに、トランクを使ったタイトルコール。
やだたのしー!
ものすごく派手に遅刻してくる人いるなーと振り返ったらまなはるとあーさの苦労人コンビでした。
まなはるの七三分けに丸メガネ、ときどき内またになっちゃうあたりに胃潰瘍感が漂う。
と、目を奪われていたら警官に連れられたスカー・フェイスの男にぶつかってしまう。
そう、ここはシカゴ。アル・カポネが逮捕された街。
それにしてもだいもん開演1分でセルフカバーってどういうこと!爆笑だわ!
またまたどたばたと「オスカーかしら」「ちょっと違う」と客席に絡みながらギャラを求める人々にとっつかまり、「俺は宣伝係で給料だって未払いだ!被害者の会だ!」と逃げ倒すオーエンに「確かに俺はマネージャーで財布のひもは握っているけど肝心の財布がない!」と絶叫するオリバー(かわいそう)
そして悲劇的な「もうだめだの歌」(正式名が分らない故の壊滅的ネーミングセンス)
そしてボスからの「20世紀号の特別室Aで落ち合おう!」というメモを受け取り大喜びの二人。ひどいめにあっているはずなのに何故喜べるのか。なぜ全力で乗ろうとするのか。
やたらめったら美しい車掌さんだと思ったら勿論それが彩凪翔である。敬礼がイケメンすぎる。
メインテーマ!
ニューヨーク着くまで何かが起きても不思議じゃない
世紀の汽車が夜を駆け抜けていく
さぁ夢を乗せて
On The 20th Century
アメリカの大地駆け抜ける
いいよねぇ好き。すごく好き。しかし客が全員個性強い。今作のヒロイン(^^)レティシアさんも登場。
「シカゴにグッバイ!」って切符にキスするオーエンかっこよすぎる問題。
まなはるはずっと困り顔をしているね。
汽車の車体が回転するとコンパートメントになっている舞台装置はレトロなのにおしゃれ。
シカゴからニューヨークまでは約1200km。1930年代に16時間でこの間を走る20世紀号はそれなりにハイソな方しか乗れないのだと思われる。
「ぉおーーい!」ってポーターに絡むオーエンのガラの悪さ。涼しい顔で「3週間前から予約した」って嘘八百ならべるオリバー。あれ君たち思ったよりなかなかだな!?
おそらく今作最大の被害者であろうMr.&Mrs.スミスのお二人…映画のタイトルをパロってて爆笑したんだけど周り静まり返ってた。なぜ。
エミリーちゃん…じゃなくてアニタちゃんといちゃいちゃしていたバーコード下院議員を脅し追い出し10カウント。オーエンがアニタにちょっかい出すのが可愛いやらガラ悪いやら。
私が見た回ではりーしゃさん普通に荷物をぶちまけて普通に間に合わなさそうになってオーエンがゆーっくりゆーっくり数えていた。お疲れ様でした。
みんなよく考えてみよう。まだトップコンビが出てきていないのだ。あれスカー・フェイスのままシカゴでグッバイかなって思った瞬間にまさかの外壁しがみつきオスカー。第一声「入れてくれーーー!殺す気かーーー!」なオスカー。帽子飛ばされた瞬間の声が可愛いオスカー。
ようやく登場したオスカー・ジャフィは最初のシーンだけでエリックの1幕セリフ分くらい話している。
思い起こせば先行画像。
あまりにヒゲが似合うイケオジなだいもんをみて、私は思ったのだ。
きっと彼は、いたって冷静、まじめな人なんだろうなって。
蓋を開けたら火照って暴走、やばめな人だった。
「さらばだシカゴ!」から始まる怒涛のまくしたてセリフと「俺は甦る」自画自賛ソング。
「ブロードウェイに帰れば栄光の日々が待っている!」
待っているのは破産だし凱旋じゃないし4連敗だしまなはるは毎回腕に顔が当たってるし頭撫でられる二人は可愛いし椅子の上に飛び乗っちゃうオスカーはもっと可愛い。
みんなも嫌なことあったら「No!」って叫んで椅子にのぼろうね。
そうしたら最初は「立ち退き!差し押さえ!とっくにアウト!幕はクローズ!」って言ってた部下たちも「ボスは立ち上がる~!」って歌いだすから。
オスカーの足閉じたトクホのマークを誰かイラスト化してくれないですか。
私は正直オスカー・ジャフィ演出の「三匹の子豚」も見てみたいんだけどマックスは話を進めてくれないだろうか。「マックス・ジェイコブズ!!(渾身の裏声)」ってなってるからやっぱり無理だろうか。
リリーの乗車を立ち聞きして何の迷いもなくチャンス!って特別室Aに乗り込んじゃうオスカーやっぱり思考回路が振り切れまくってる(ほめ言葉)
オリバー(演:オスカー)とリリー(演:オーエン)の小芝居最高に可愛いし女っぽさが出せないオーエンいとおしい。しかし顔がいい。
1930年代のハリウッドといえばグレタ・ガルボやイングリッド・バーグマン、ジュディ・ガーランド(リリーのモデルかな?)などなどもう美貌の名女優が世界の憧れになってた時代だもの。そりゃ「リリーのサインが入った契約書があれば銀行はいくらでも金をだす!」よね。
主演女優、降臨!
あれおかしいな、まだきいちゃん出てきてない。
と思ったら本日一番の足音が鳴り響いて、どう見てもダサい女の子がバッタバッタと舞台に駆け上がってくる。リリーとオスカー出会いの回想シーンが好きすぎて困る。
オスカーのオーディションに来た女優の代理のピアニスト。ローウェストのピンクのワンピースがダサ可愛い。
もういちいち動きが面白いしピアノ弾き始める前のあれはなんだ。真似してみたらちょっぴり肩を痛めたアラサーOLである。
スタンバイ。
スタンバイ。
全くの余談だが私のメモに一番大きい文字で書いてあったのは「4度上↑」だった。
あゆみさんの名音痴っぷりに感動していたら「か~え~r「ちがいます!そこは、4度上↑」「か~「ちがいます」
あゆみさんが歌う度に拍手してるオーエン(あんまり審美眼ない?)とガクッとのけぞるオスカーの頭を支えるオリバー。
突然正しい音程で歌いだす発音できない名前の子に椅子に座ったままにじりよっていくオスカーに客席から笑いが起こる。
仕事できない感じがすごいあがちんが端っこで飛んだり跳ねたりコートを運んだりしているのを見逃してはいけない。
そして始まるあゆみVSきいちゃんの頂上決戦。
「ショパンが弾いたって無理だと思うわ!」「あんたが音痴だからよ!」「電車賃20セント!」
後ろでまったく同じポーズをしてあおるオスカー。
松岡修造ばりのステップで応援するオスカー。
女優にスカウトしリリー・ガーランドの名前を与えるオスカー。
断るミロデュプツカ(あってる?)にあっさり引くオスカー。
リリーのあれれ顔は最高。
ちなみに、当時の1ドルは現在でいうと17〜18ドルくらいらしい。(諸説あります)
つまり1ドル50セントは2200円くらい?大事な稼ぎになるね。
完全にショーアップされた「ヴェロニク」!!
あ、やっぱりだいきほはトリコロールから逃れられないんだなっていう別の意味の笑いもあったけど、この場面はきいちゃんが本当に圧巻だった。
1つ1つのポーズが美しい。ソプラノがどこまでも伸びる。勇ましい・オブ・ザ・イヤー受賞。「しまった!」の声が可愛い。カンカンがもうThis is 宝塚の満腹感!
花束を携えて静かに客席に現れたオスカーは渋くて色っぽいのに、リリーに投げキスもらうと中学生くらい喜んで腕振りしながら引きずられていく。愛おしすぎる。
ちなみにカワイイ・オブ・ザ・イヤーはこのシーンの直後にリリーの真似をしてカンカンと足上げをしているオーエンが受賞している。
まだ1幕の半分くらいしかいっていないのに力尽きた!しょくん!
ということは20世紀号の記事は4回にわたるということだろうか。まだブルースちゃんも出てきていないしレティシアさんもおとなしい。えっ怖い。
それでも私は負けない。何発撃たれても旗被せられても私の魂は再び立ち上がり凱旋門の前で踊るのだ。
Viva la France!
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スーツの裾握ってカンカンします