ヒビ、ヒビヤ

ココロハムラ

極上の時間 仙名彩世 Last Tea Party

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名彩世は晴れやかだった。

いつものようにニコニコの笑顔で入場すると、会場を埋め尽くすファンにもっとニコニコになった。

そりゃもう可愛かったですとも。えぇ、えぇ。

繊細な水色のレースのワンピースが華やかで優しくて。

入場からノックアウトされた一ファンが、記念すべきゆきちゃんの最後のお茶会を堪能してきた。今日はそんな話。

 

初に言っておきますが長くなりますよ。テンション任せに書いてますからね!

 

ゆきちゃんはいつだってハイテンション

「きゃー!」って顔わかります?ゆきちゃんの楽しそうな幸せいっぱいの笑顔。

CASANOVAのパレードをあの美声で歌い上げながら「娘役さんってこんなキーで歌ってるのね!」なんて新たな発見をしているヅカオタをよそにスキップ間近な足取りで会場中を歩き壇上へ。

「2回公演終わりましたが、元気です!」と宣言すると乾杯し、席に着こうとする…

が。

「椅子が低いので立ってやります!疲れたら時々座ります!」と再びスタンダップ

その後、会が終わるまで一度も座ることはなかった。

後ろの方まで詰め掛けたファンに自分の姿が見えるように。

繰り返すが本日2回公演である。なんなら昨日も2回公演である。

もう頭がさがるよね。拝もうかと思った。リノの気持ちがすごく分かるなって。

 

毎度のことで恐縮だが、私トリ頭です。一生懸命思い出すけどニュアンスでお願いします。

というわけでまずは質問コーナー。

「大劇場を経て現在絶賛東宝公演中のCASANOVA。テーマと見所は?」という質問に。

テーマは「自由」と答えたゆきちゃん。自由とは自分を信じることから始まる、というセリフが何度も出てくる。それはすごく難しいことで、でもそれをできるのは素晴らしいこと。登場人物たちに勇気をもらっているというようなお話。

私なんかはアホの子なので、その難しさなんて考えてみたこともなかった。噛み砕き、飲み込み、消化できなくても昇華させる。役者さんってすごい。

見所は「見にきた同期とかにも聞かれるけど…難しい!」とめちゃくちゃ悩みながらに2幕のソロ曲。自分の気持ちと、総督の娘としての自覚を持つ大切にしたいシーンだと。

 

ベアトリーチェの役作りについて」は回答が思わぬ角度すぎて私もうお腹痛い。

「舞台稽古のはじめの方で生田先生に『私は「Let it go」とか「This is me」とかが嫌いです』と言われて「あ、そ、そうなんですか…」と答えるしかなくて。だって私歌いましたし(舞浜で)」

その理由というのがまだ成長途中で伸び代がある人間が、今この時点で自分を認めてその地点に留まってはならない。という。うわあなんかとっても生田くん!

その生田くんが「でもあなたはLet it goでいいです」とゆきちゃんにだけは言ったそう。

それはベアトリーチェという己を信じる強さと前へ進む勇気を持ったキャラクターにゆきちゃんが重なるからだと思うし「だから私はレリゴーって感じでやってます」って笑顔で言い切るゆきちゃんかっこ良すぎよね。

 

「一番好きな衣装は?」と聞かれて、これまた悩み始めるゆきちゃん。

今回のドレスは全て新しくデザインして作っていただいたそう。お衣装部の本気を感じる素晴らしいドレスの数々だけど「修道院出た!」のドレスは最初はもっと奇抜で大きくて輪っかが入ってたとか。お稽古場では輪っか入れていたけど、「いくらベアトリーチェと言えど…さすがにやりすぎだと」言われて今のドレスに。

カーニバルに出かけるカラフルなドレスも大好き。でも一番は「ラストのシーンで着ている赤いドレスです」

真っ赤な衣装の明日海さんと、同じ色でお揃いみたいな衣装って今までにあまりなくてそのお揃い感が嬉しい!って話すゆきちゃん乙女of乙女。

肩紐がなく、コルセットみたいに締め付けるものが3つも入っていて「あの中に武器みたいなものが入ってるんですよ…」とのこと。

明日海さんと初日の囲み取材で「赤の衣装で行こうか」と言われて嬉しくなって向かったら、取材場所が絨毯も壁も真っ赤で。

「明日海さん同化してませんか私たち」「同化してるね」と二人して同化しながら写真撮られた話のほのぼの感が面白すぎてみりゆきフォーエバー。

 

 「そんな明日海さんとのデュエットダンスの見所は?」と聞かれて

「逆に見なくていい部分なんてあります?」と即答。ああ、大事にしているんだなぁってことが一瞬で伝わって…

「あ、でも二人が離れるところは目がこう…ね、離れて視界が」めちゃ現実的。

今回のデュエットダンスはゆっくりと作ってある、振りも詰め込まれすぎていない。銀橋に出てからアイコンタクトだけで空気を作る。「それは全て明日海さんのお力でできていることなんですが」と謙遜しながら、そのシーンを本当に愛おしそうに語るの。

もう、なんか、もう!

どこかの質問の最中にBGMの音源で明日海さんの歌が流れると「はっ!明日海さんの美声が聞こえる!」と天井を見上げる姿が健気で可愛いのです。あなたも美声ですよ。

 

そして歌のプレゼント。「ポーの一族」よりシーラの『永遠の愛』サヨナラショーver.

音響トラブルでなかなか曲がかからない中「みなさま、ゆうるりとお過ごしくださいね」って咄嗟に言えるその機転!

男爵への愛を歌う情感はそのままに声の透明度が増していてこの人はどこまでいくんだろうと。

 

「ゆきちゃんにリクエストコーナー」一発目は「ゆきちゃんの音頭で花組ポーズを!」

聞くなり「はい、じゃあ皆さんもお立ちいただいて。スタンスは広く!場所が狭い時は斜めになって!」あ、スタンス狭くはしないんですね。

「私が花組!って言ったら皆さんで最高!って叫びながら右手をこうですよ!」

一発目なのにすでにクライマックス感。全力の花組ポーズの後に盛り上がり拍手からのパン、パパパン!

二つ目は「エイトシャルマンのシャルラ!をお願いします」

口三味線で歌い、踊り、シャルラ♡「やっぱりこれ一曲踊ってからやらないと感情が持っていけませんね!」と言いつつもうシャルラ完璧。蘇るサンテ。

そして三つ目に「Delight Holidayのせんな〜!」をリクエストされ「お酒がないから…」と言いつつこぶし5割り増しの「せんな〜〜〜〜〜!」いただき大拍手。

サービス精神の塊かよ。

最後に今年結婚した方々をお祝いし、終了。

ちゅーちゅーお茶飲みながら全力で応えるゆきちゃん最高ですよ。

 

怒涛の後半、そしてサプライズ 

後半の質問コーナーは会場をねり歩きながら。

「大劇場の千秋楽は特別に緊張した?」という質問に。

「今まで散々人を見送ってきたけど、入りで皆さんから声をかけられてもちろん初めての体験なので泣きそうになったけど我慢して。私生きて今日を終えて楽屋を出られるかなって!」

それでも楽屋に入ったらいつも通りに緊張せず楽しくて楽しくて、早くサヨナラショーをやりたくて。

質問の内容が入り混じるが、サヨナラショーもミュージックサロンも選曲や構成は全てゆきちゃんがしたそう。

「エイトシャルマンは絶対にやりたくて!どこに入れるか悩んだんですがインパクトあるのが好きなので幕あきに。花娘を引き連れたくて16シャルマンになりました」

ベーちゃんやじゅりあさんとのシーン。あとは千秋楽をお楽しみに、で閉めるかと思いきや「一ついいですか!最後にピンクゴールドのドレスで大階段を降りるんですが、明日海さんが下で手を差し伸べて待っててくださる…その威力!!!」

カッ!と目を見開いて「威力!!」っていうゆきちゃんが好きです。

 

ミュージックサロンは中村先生が「好きなことやっていいよぉ」と言ってくださったので「私が見たかった瀬戸さんとちなつさんを詰め込みました!」と言い切る。

あきらさんとちなつさんの男役が大好きなんだと。

あんなシーンであきらさんの生着替え、こんなシーンでちなつさんとデュエット、お二人が兄弟だったり、椅子を宝塚に見立てて裸足で踊るシーンが宝物になったり。

本当にプロフェッショナルでなおかつ宝塚大好きなゆきちゃんが夢を詰め込んだディナーショーだったんだな、と見られた人が羨ましい。

「4月13日に放送になります!」スカステのスケジュールまでありがとうございまーす!

 

そしてサヨナラ特番。「皆さんの予想をどこまで裏切れたか分かりませんが、礼真琴さんとファントムのHomeを歌いました」と。

多くの番組では下級生の娘役さんを呼んで対談だそうだけど「この子とこの子、なんて少ない人数を選べなくて。どの子も大切なので」

琴ちゃんに依頼したら二つ返事でOKしてくれたこと。それが収録の一週間前で二人で合わせるなんてできなかったこと。当日一回だけ一緒に歌ってすぐ本番。それでも完璧に合わせてくれたこと。「皆さんご存知だと思いますが天才なんです。こっちゃんは。ずっと一緒に歌いたいねって話していて、それが叶って」

本当に嬉しそうだったゆきちゃん。「今日再放送じゃないですか?」やっぱり自分のオンエアスケジュールを把握している。さすが人呼んで“できる女”!

 

花組の下級生の娘役に伝えたいこと」

言葉を選びながら「娘役でいられる時間は限られています。今こうして娘役でいられる幸せを感じてほしい。男役さんあっての娘役だということ」花娘として200点満点の答えです。さすが良妻。

 

抽選会を挟み(ちなみに私も当選しましたヒューヒュー!)、ベアトリーチェの2幕ソロ曲を歌いあげ、もう、会場もやり切った感。

幸せ感。

そこに響く「ボンジョーーーーールノ!どうもこんばんは!びっくです!」

びっくさん!?!?!?!えっ、どこ!?

「ゆきの最後のお茶会ということで今日はスペシャルゲストにメッセージをいただきたいと思います!」

誰!?!?!?!?

「ボンジョーールノ!(気だるげ)」

こ、この声は!

「明日海りおです。ゆきちゃんラストのお茶会楽しんでますか?」

「はいっ!」

「ゆきちゃんのことなので超ハイテンションでお客様と盛り上がっていると思います。あまり無理はしてほしくないですがファンの方と近くで接することができる大切な場なので思い切りはっちゃけてください」

「はいっ!」

「では、また明日ねー」

「あした!明日は休みだ!…じゃあ明日も会いに行こう♡」

元気にお返事し、きっちりツッコミを入れ、最後は可愛く締める素敵なゆきちゃん。

そして意図してか、せずか。笑いをかっさらうトップさん。

 

ゆきちゃんの未来にあふれんばかりの花が咲きますように 

最後のご挨拶で12年の感謝と同時に「私が退団しても宝塚を見にきていただきたい」という言葉がとても印象的だった。

「新しい作品も出てくるし、いろんな子が成長する姿を見守ってほしい。宝塚を引き続き愛していただければ」そう話す顔は、トップ娘役として歴史ある花組を支えてきたゆきちゃんだからこその優しさに満ちていて。私にもっと語彙力があればいいのだけど。

 

疲れているだろうに全員とハイタッチをして見送ってくれた。

始まる前にゆきちゃんが手作りしたこれまでの公演の髪飾りが展示してあってその細やかさと美しさに本当に驚いたんだけど、娘役という生き方を極め、全うした11年間だったんだなと改めて感じいる。

就任時にも退団発表でも「遅咲き」というワードがあちこちで見受けられた。

学年だけを見れば前例と比べてそう取れるのかもしれない。

だが、あえて言いたい。仙名彩世は今こそ花盛りだ。

花盛りでトップになり、咲き誇り、花盛りのまま去っていく。

たゆまぬ努力と才能と人柄で花組に咲いた極上の娘役、仙名彩世が私は大好きだ。

残り3週間、ゆきちゃんにとって、花組にとって、素晴らしい春になりますように!

 

じゃあみんな、また明日ねー

 

 

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