ヒビ、ヒビヤ

ココロハムラ

ジャニオタが花組でCASANOVAの女になった話

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年の9月某日、ジャニオタJ子から突然電話がかかってきた。
だいたい理解できなかったが何とか聞き取れたのは
「ガヤが雪組行ったガヤ!」
うん。私、その場にいたし。
どうやら藤ヶ谷くんは凱旋門とガトボニのことをブログに書いてくれたらしい。
それを見たJ子が慌てふためいて電話してきたが私が劇場にいたことを伝えたらダイイングメッセージのように「がや…」とだけ言い残して切れた。
綺麗なお顔をしていたような気がする。たぶん。あんまりちゃんと見てなかった。雪組が誇る男役スターの女装に目を奪われ過ぎていて。大介、罪な男だぜ!
 
んなわけで(どんなわけなのか)、先週の日曜日に一年の時を経てJ子を東宝に連れて行ってきた。
ご存知スーパースター明日海りお率いる花組公演である。
 

予習はバッチリだ(ただしヴォルテールを除く)

さすがありとあらゆる会場でのコンサートに参戦するジャニオタは郷に入れば郷に従う能力に長けている。
一年前に教えたルールも完璧に、何なら娘役さんのファンみたいな格好で現れた。しかし随所にパープルを取り入れてしまう病気は治っていないようで爪はクーピーの紫みたいな色になっていた。
 
今回は一本もの。喜劇だし割とわかりやすいストーリーではあるが、なんせJ子はKissとMyとFootとTwoとSHEとHER以外の英単語は耳に入らない設定だ。
あらかじめ大体のストーリーと登場人物の事情を吹き込んでおくことにした。
みりノヴァ様の写真を見るなりJ子はまるで工藤新一みたいな顔をして
「ははーん、さてはこの人、後半神になるな?」
いや今回はギリ人間よ。キリストとかメサイアとか、確かに神になりがち明日海りおではあるけれど、人間よ。ギリ。
更にあきらは「優しいパリピ、マイティは自分のことも後回しに3人の子供を必死に育てるシングルファザーと言いたい放題である。ほんといつか刺される気がする。
最後まで「コンデュルメル」はちゃんと言えなかった。滑舌が悪い。
 

だって長くなってしまうから

ここからは「J子心の『ひいっ』ポイント」を箇条書きにしてお伝えしたい。
例によってうろ覚えの順不同であることはご了承ください。
 
罪人なのにキラキラなジャコモ
顔がいい…美しさは力…。あれ、声もいいな…?
逃げている途中なのに突然決めポーズを繰り出す謎演出が面白すぎて、屋根の破壊とか海に飛び込むとかジャッキー・チェンばりの身体能力に突っ込めない。
 
ゆきトリーチェの圧倒的歌唱力と腰の入ったファイティングポーズ
ダニエラ共々戦闘力が異常に高そうで、おそらく十人委員会のおじさま達くらいなら一撃でやれるであろうと思われる。
あとソロ曲がレリゴー!
 
「風になびく髪は金色…瞳は涼やか…鼻筋はスッと通って…優しく微笑む…」
「あ、もしかして山Pかな!」って思ったらしい。違う。
 
ラップ曲の横揺れがディズニーのキャラクターみたい
櫻井くんに見せてあげたいラップバトルだったそうだ。
マイティ突然の手のひら返しに爆笑するJ子。
 
常に不憫なバルビちゃんが2幕でいきなりイケメンに確変する
自分の見る目のなさに愕然とし、やはりジャニーさんの慧眼が必要だと痛感。
シングルファザーじゃなかった!」そりゃそうだ。
「いろんな意味で百発百中!」やめなさい。
 
コ、コンデュルメル夫人…!
J子最大の興奮ポイント。色気と強さと妖しさを持ち合わせているのに、実は劇中で一番ピュアなこじらせ乙女心枠。更にセーラームーンみたいなにゃんこをいっぱい飼ってるー!
 
腹ペコな部下に苦労するコンデュルメル夫妻
職員募集の条件に「食い意地が張っていない人」って書いてハローワークに出した方がいい。
 
コンスタンティーノという一番幸せな男
「チッチッチッチッ」っていう猫の呼び方とキプロスへ向かう船の再現とセルフエコーとスキップが150点大正解。こねこちゃんっ!
ちなみに彼女が一番好きなセリフはじゅりあ姉さんの「まぶしいっ」である。
今日に至るまで事あるごとに使い私に「…お腹を鳴らすよ?」とたしなめられている。
 
たぶんコンデュルメルはA型
上司はオペラに夢中だし嫁は黒魔術に傾倒してるし愛人はヴェネツィア一のチャラ男に奪われるし「もー!みんなちゃんとしてよー!男子ー!」な気分だったんじゃなかろうかという分析。
シニョールとシニョールのキスにも理解を示し伝統文化も大事にするいい人だよねぇ。
 
カジノメンバーとおっさんが大好き
たぶん天使なのはモーツァルトだし、錬金術師さんはめちゃカワな奥さんに「勝手に薬あげちゃダメだよ><」って教えてあげたほうがいいし、ヤキモチ焼きのイカサマイケメンは男装の麗人ともっとイチャイチャしてほしい!聞き上手のおっさんを今すぐ弊社に派遣してください!よいしょーー!
 
千のグラッツェを持つ男
ジャコモのウィンク、ジャコモの抱いた女をちゃんと数えているところ、ジャコモの「驚いたぁ?」、ジャコモの肘打ち、ジャコモの仮面、ジャコモの葛藤、ジャコモのネーミングセンス「バルビゾン」、ジャコモの薔薇出現マジック、ジャコモの「ケッコン!?(声裏返り)」ジャコモの「ありがとー」、ジャコモの「逃げても逃げても女達が追ってくる!」、ジャコモの「気をつけてくださいね〜ぇ」、ジャコモの腕掴んでキスまでの持っていき方、ジャコモの、ジャコモの、ジャコモの、ジャコモの…
 

予想通りの結末

かくしてJ子はカサノヴァの女になった。
正しくは「カサノヴァがカジノのカウンターにカーンッってする酒の瓶になりたい女A」である。
私がみりゆきの美しい歌声とデュエットダンスに涙している時も彼女はとうとう持ち込んだ21倍のオペラでジャコモをガン見。いやほんと明日海さんに申し訳ない。
「J子のJはジャコモのJ…」とブツブツ言いながら丸ノ内線に消えていったJ子だが、残念ジャコモの頭文字はGだ。
「次の日の朝御飯はジャコご飯にした」その報告はいらない!
 
圧倒的花組感を堪能できるフィナーレの余韻が特に凄まじい。
ロケットも娘役群舞も男役群舞も見応えが抜群だった。
基本恋愛脳ではないJ子だが、みりゆきのデュエダンは一つ一つの所作が美しくてずっと見ていたいと思ってくれたそうだ。
その直後に2人が間も無く退団することを知り、泣きながらキャトルに向かい無言で舞台写真を吟味し始める。
成長したな、J子よ…。
 
もしもCASANOVAをジャニーズでやるのなら…
ケンティさんがジャコモをやるんだそうだ。役作りはなしでいけるらしい。あいにく私は毎週木曜日に高いご飯を食べていることしか知らないが、はまり役ならばそれでいい。
コンデュルメル夫人はガヤさんに。なんだろう。なんか分かる気がする。黒いネイルしてほしい。女役メイクのまま男役群舞でガンガンに踊ってほしい。
玉ちゃんはモーツァルトを善意で殺しかける錬金術師の奥さん」OK、君ならなんでも許そう。
愛するみやっちには何をさせるのと聞いたら「マカロニ食べててジャコモを逃してしまう人」
まさかのロレンツォ。マカロニにタバスコを鬼のようにかけないかだけが心配である。
 
 
最後に。
「J子さんの入り待ちと出待ちに行きたいです。場所はゴジラ像の前でしょうか。お手紙の他に差し入れは受け取ってくださいますか?」と連絡をくださった某さんへ。
お仕事と反省会のため今公演では入り待ち・出待ちは行いません。
どうかその思いをまっすぐジェンヌさんに届けてあげてくださいお願い!
J子の入り出してもいいことなんて何もありませんから!
 
 
 

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